「LCCM住宅って一体なに?」
「LCCM住宅でもらえる補助金ってどのくらいなの?」
LCCM(エルシーシーエム)住宅とは、住宅の性能を示す単語のひとつです。補助金制度もあるため、気になっている方も多いと思います。LCCM住宅の知名度はまだ低いですが、実は人にも環境にも優しい、いいことづくめの住宅なんです。
そこで、この記事ではLCCM住宅について以下の内容をお伝えします。
- LCCM住宅とは何か
- LCCM住宅のメリット
- LCCM住宅の補助金制度
- LCCM住宅を建てられるハウスメーカー
この記事を読めば、LCCM住宅にまつわる悩みがなくなり、家づくりが一歩前進すること間違いなしです!それではさっそく、LCCM住宅とは何かについてご紹介してまいります!
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大学で材料工学・建築素材を研究、30歳でマイホーム購入を決意。コツコツと住宅知識を増やし、満足の家を建てた経験を持つ。現在は家づくりで役立つ情報をYouTube、SNSにて発信している。
LCCM住宅は、住宅が排出する二酸化炭素量をマイナスにする住宅
LCCM住宅とはなにかを一言でいうと、住宅の建築時・居住時・解体時すべての二酸化炭素の排出量をマイナスにする住宅です。
どういうことかというと、通常、住宅の建築時・居住時・解体時には、二酸化炭素が排出されますよね。LCCM住宅ではまず、その二酸化炭素の排出量を最小限にとどめます。
しかし、それだけでは二酸化炭素を排出する一方です。そのため、太陽光発電などで再生可能エネルギーを創出していきます。そうして、住宅が創出したエネルギー量(二酸化炭素排出量)が、排出した二酸化炭素量の合計を上回る住宅をLCCM住宅と呼ぶのです。
「そんなことできるの!?」とびっくりしますよね。環境にやさしいLCCM住宅であれば実現可能です。
ZEHとの違いは期間
LCCM住宅の説明を聞くと、ZEH(ゼッチ)を思い浮かべる方も多いと思います。ZEHは、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロにすることを目指した住宅です。
ZEHとLCCMは似ていますが、期間が異なります。
ZEHは居住期間のみを視野に入れているのに対し、LCCMでは住宅を建築から解体までのすべてを視野に入れているのです。そのためZEHよりも高い、トップクラスの住宅性能を誇ります。
LCCM住宅は政府が推奨する住宅
政府はLCCM住宅の建築を推奨しています。というのも、日本を含め世界120以上の国と地域が、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を目指すことを宣言しているからです。
カーボンニュートラルというのは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを意味します。つまり、カーボンニュートラルの達成には、温室効果ガスの排出量の削減と吸収作用の保全・強化が必要です。
そこで目を付けられたのが住宅です。実は、住宅が排出する二酸化炭素量はかなり多く、2015年時点では1世帯あたり3.4トンの二酸化炭素を排出しています。これは杉の木384.2本が一年間に吸収する量と同じです。参考:環境省
そのため、住宅の省エネ・省CO₂化に取り組んでいるのです。
LCCM住宅を建てる2つのメリット
ここまでで、LCCM住宅が非常に環境に優しい住宅であるとおわかりになったかと思います。一方、住む側の人間にとってはどのようなメリットがあるのでしょうか。
LCCM住宅を建てる2つのメリットをご紹介します。
- 高断熱で暖かく快適
- 光熱費が安くなる
それぞれ見ていきましょう。
高断熱性で暖かく快適
LCCM住宅を建てる1つ目のメリットは、暖かく快適に暮らせることです。
LCCM住宅は、エネルギーの使用を抑えるために高気密・高断熱なつくりになっています。そのため、他の住宅よりも暖かい空気が外に逃げにくく、冬でも快適です。
さらに、室温が一定に保たれるため、冬場に起こりやすいヒートショックも防げます。ヒートショックは、急激な温度差によって血圧の乱高下が起こる症状です。血圧が下がることでめまいや立ちくらみ、最悪の場合は脳梗塞や心筋梗塞などの病気につながるおそれがあります。 住宅では、冬の寒い脱衣所から温かい湯船に浸かったときなどに発症することが多く、危険です。
しかし、LCCM住宅ではヒートショックの心配が少ないため、毎日快適に健康で暮らせます。
光熱費が安くなる
LCCM住宅を建てる2つ目のメリットは、光熱費を抑えられることです。
LCCM住宅は高気密・高断熱であるため、暖かい空気を外に逃がしにくく、冬の暖房使用量を減らせます。加えて太陽光パネルで自家発電も可能であるため、毎月の光熱費を抑えられます。この効果は何十年と続くため、ランニングコストを抑えられるのは嬉しいですよね!
LCCM住宅を建てる前に知っておきたい2つのデメリット
暖かく快適で光熱費も抑えられるLCCM住宅ですが、以下のようなデメリットもあります。
- 家の建築費が高くなる
- 屋根の形が制限される
それぞれ見ていきましょう。
家の建築費が高くなる
LCCM住宅を建てるためには、高性能な断熱材や太陽光パネル、蓄電池が必要です。そのため、必然的に通常よりも多くの建築費がかかってしまいます。
もちろん、長い目で見ればLCCM住宅は光熱費を抑えられてお得です。また、この後ご紹介する補助金制度を活用すれば、建築費を100万円以上下げることもできます。
ですが、補助金制度を活用してもやはり初期費用はかかってしまいます。初期費用を抑えて家を建てたい方には向いていないかもしれません。
屋根の形が制限される
LCCM住宅は二酸化炭素の排出をトータルで0にする住宅です。そのためには、太陽光パネルで電気をたっぷりと作る必要があります。
電気をたっぷりと作るためには、大容量の太陽光パネルを載せることが必要です。そのため、屋根の形は太陽光パネルを多く載せることを優先した形になります。屋根の形にこだわりたい方は要注意です。
LCCM住宅の補助金はいくらもらえる?
LCCM住宅を対象とした補助金には、サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)があります。
サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)でもらえる補助金は最大140万円です。
設計費と建設工事などにおける補助対象工事の掛かり増し費用の合計額の2分の1が対象になります。
この場合の掛り増し費用とは、LCCM住宅にするために行う追加工事の費用を指しますよ!
サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)の補助金をもらうためには?
サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)の補助金をもらうためには以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 戸建住宅の新築
- 強化外皮基準を満たした上で、UA値が基準以下
- 再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から25%以上の一次エネルギー消費量削減するもの
- 再生可能エネルギーを導入(容量不問)するもの
- 再生可能エネルギー等を加えて、基準一次エネルギー消費量から100%以上の一次エネルギー消費量削減するもの
- 以下のいずれかの方法で、LCCO2を算定し、結果が0以下となるもの
・CASBEE-戸建(新築)2018年版、2021年SDGs対応版(または2020年SDGs試行版)
・LCCM住宅部門の基本要件(LCCO2)適合判定ツール - 住宅の品質について、CASBEEのB+ランクまたは同等以上の性能を有するもの(長期優良住宅認定など)※耐震性については、募集要領 、交付申請等マニュアルを参照
- 交付決定を受けた年度に事業着手するもの
- 住宅の立地が「土砂災害特別警戒区域」に該当しないこと
UA値とは、住宅の熱がどのくらい逃げやすいかを示す数値です。UA値が小さければ小さいほど断熱性は高くなります。
サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)の公募期間は令和6年5月17日(金)~令和7年1月20日(月)です。
補助金の申請は建築会社が行うため、自分たちで書類を作成をするなどの作業は必要はありません。ただし予算状況により早めに受付が終了になる可能性もありますので、ゆとりを持って申請できるよう家づくりを進めてください。
LCCM住宅を建てられるハウスメーカー
ここからは、LCCM住宅を建てられるハウスメーカーをご紹介します。LCCM住宅を建てられるハウスメーカーは以下の6社です。
- 三井ホーム <木造>
- 住友林業 <木造>
- ミサワホーム <木造>
- パナソニックホームズ <鉄骨造・木造>
- ヤマト住建 <木造>
- トヨタホーム<鉄骨造・木造>
鉄骨造やRC造に比べて、木造住宅はLCCM住宅に向いています。鉄骨住宅の場合は鉄骨を製造する段階で二酸化炭素を多く発生させてしまいますが、木造住宅は建築時にあまり二酸化炭素を発生させないからです。
また、木は鉄に比べて熱を伝えにくいため断熱性を高めやすく、省エネにつながります。
三井ホーム
【三井ホームの特徴】
- 専属のインテリアコーディネーターが担当
- 断熱・耐震・遮音性能が高い
- 光たっぷりの明るくオシャレな家が得意
三井ホームはLCCM住宅を実現できるハウスメーカーの1つです。標準仕様がZEH水準であり、かつ環境に配慮した設計・提案を行ってくれるため、CO2排出を抑えることができます。
LCCM住宅には断熱性の高さが必要不可欠ですが、三井ホームのプレミアム・モノコック構法であれば安心です。外壁に140mmもの分厚い断熱材を入れることができるため、超高断熱を実現できます。
また、三井ホームには「環境設計ガイドライン」というものがあり、自然光や風を取り込む空間デザインを得意としています。これらの空間デザインはオシャレなだけではありません。太陽の光や熱、風を調整する省エネ設計や、太陽光発電システムを使用したCO2排出量削減を掲げており、一石二鳥です。
三井ホームについては、おうちキャンバスのハウスメーカー徹底解説マニュアルで詳しくご紹介しています。マニュアルはおうちキャンバスの公式LINEで配布していますので、以下から友だち追加してゲットしてください。
住友林業
【住友林業の特徴】
- 使える木材の種類が多い
- 業界トップクラスの無垢床のレパートリー
- 高い耐震性を保ちつつ大空間を作れる
住友林業もLCCM住宅を実現できるハウスメーカーです。住友林業では木をふんだんに使った家づくりを行いますが、そもそも木は熱を伝えにくい性質を持つため、この時点で断熱性は良いです。さらに家全体を断熱材で包み込むため、高断熱高気密を実現できます。
また、住友林業といえば長い軒が魅力の1つですよね。長い軒は見た目がオシャレですが、魅力はそれだけではありません。冬の暖かい日差しは取り入れ、夏の暑い日差しは遮るという機能性も持ち合わせているので、冷暖房費を削減できます。さらに、軒を伸ばすデザインでは屋根も大きくなることが多く、自然と大容量の太陽光パネルを載せられます。
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ミサワホーム
【ミサワホームの特徴】
- 「蔵」が得意
- 中2階、スキップフロアが得意
- 洗練されたデザイン
ミサワホームには、LCCM住宅に対応した「CENTURY 蔵のある家 ZEH ADVANCE 」という商品があります。これはミサワホームの人気ブランド「CENTURY」の1つです。
「CENTURY 蔵のある家 ZEH ADVANCE」の特色はスマートECOフォルムという設計を採用している点です。スマートECOフォルムでは、斜線制限などの敷地条件に対応しながら大容量の太陽光発電システムを搭載できます。地域にもよりますが、32坪程度の住まいからLCCM住宅を実現できるため、「土地の関係で建物をあまり大きくできず、太陽光パネルもあまり載せられない」という悩みを解決することもできます。
さらに、ミサワホームがオーナー向けに提供するIoTライフサービス「LinkGates(リンクゲイツ)」も非常に優秀です。LinkGatesのAIは、過去の使用電量や太陽光発電量などから翌日の発電量や使用電力量などを予測し、その予測に基づいて蓄電池や給湯機器を⾃動で制御してくれます。これにより、発電した電力の自家消費率を高め、省エネを実現することができるんです。
ミサワホームについては、おうちキャンバスのハウスメーカー徹底解説マニュアルで詳しくご紹介しています。
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パナソニックホームズ
【パナソニックホームズの特徴】
- 光触媒のタイル外壁「キラテック」で綺麗な外観を保てる
- Panasonicの住宅設備を比較的安く採用できる
- 高性能「HEPAフィルター」で空気がキレイ
パナソニックホームズの平屋には、LCCM住宅に対応しているモデルがあります。このモデルでは断熱等級6に対応することも可能です。
パナソニックホームズといえば全館空調「エアロハス」を思い浮かべる方も多いでしょう。HEPAフィルター付きのエアロハスは、屋外から空気を取り込む際に花粉などの微粒子をカットしてくれるため、家の中の空気を綺麗にしてくれます。
これだけでも十分優秀なエアロハスですが、パナソニックホームズの断熱への取り組みと合わせると、すばらしい省エネ効果を実現できるんです。パナソニックホームズでは基礎の内側まで断熱材を入れているため、床下の空気は地熱の影響を受けて夏は冷たく、冬は暖かくなります。いわば自然の冷暖房です。エアロハスでは床下から空気を取り込んでいるため、冷暖房負荷を下げて省エネを実現できます。
パナソニックホームズについては、おうちキャンバスのハウスメーカー徹底解説マニュアルで詳しくご紹介しています。マニュアルはおうちキャンバスの公式LINEで配布していますので、以下から友だち追加してゲットしてください。
ヤマト住建
【ヤマト住建の特徴】
- 断熱材の種類や厚みを自由に変えられる
- すべての住宅モデルに制振ダンパーがつく
- すべての住宅モデルに第一種換気システムがつく
ヤマト住建には、LCCM住宅に対応したエネージュLCCMという商品があります。費用の目安は、30坪の2階建て住宅で2,107万円からです。(税込・付帯工事費用別)付帯工事費を入れると3,000万円台になりますが、これほど性能の良い家を3,000万円台で建てられるのは非常に魅力的です。
ヤマト住建はもともと断熱性能に力を入れているハウスメーカーで、家全体を内側と外側から断熱材で包み込む内外W断熱を採用しています。窓は樹脂サッシのLow-Eガラスを採用しているので、家の暖かい空気を外に逃しません。樹脂サッシはアルミサッシと比べ約4倍の断熱効果があると言われており、暖房代の節約に大きく貢献します。
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トヨタホーム
【トヨタホームの特徴】
- 住まいの85%を工場で作るため施工精度が非常に高い
- 停電時でもトヨタ自動車の車から給電できる
- 保証期間は業界トップクラスの60年
トヨタホームの平屋にはLCCM住宅に対応しているプランもあります。
その秘密はトヨタホームの大容量の太陽光パネル。屋根の形に合わせて太陽光パネルを選べるので、やりたい屋根デザインを妥協せずに済みます。保証も15年と手厚く安心です。
また、トヨタホームが発表している光熱費シミュレーションによると、太陽光パネル・蓄電池なしの住宅の年間光熱費が252,000円であるのに対し、LCCM住宅の年間の光熱費はわずか5,400円となっています。光熱費の大幅な削減が見込めて嬉しいですよね。
トヨタホームについては、おうちキャンバスのハウスメーカー徹底解説マニュアルで詳しくご紹介しています。マニュアルはおうちキャンバスの公式LINEで配布していますので、以下から友だち追加してゲットしてください。
以上がLCCM住宅を建てられるハウスメーカー6社になります。
「どのハウスメーカーがいいのかな・・・」とお悩みの方は、ぜひおうちキャンバスのオンライン相談で住宅アドバイザーにご相談ください。あなたの状況を伺い、最適なハウスメーカーと親身に寄り添ってくれる営業担当をご紹介します。
「なぜ営業担当?」と不思議に思われるかもしれませんが、実は満足のいく家づくりをするには親身になってくれる営業担当と二人三脚で進めるのがオススメなんです。おうちキャンバスではご相談いただいた皆様に満足の家づくりをしていただくため、優秀で親身になってくれる営業担当をご紹介しています。
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まとめ
いかがでしたか?この記事の要点は以下の通りです。
- LCCM住宅とは、住宅の建設時〜解体時の全体の二酸化炭素排出量をマイナスにする住宅
- LCCM住宅は高断熱で暖かく、光熱費が抑えられる
- LCCM住宅には最大140万円の補助金制度
人にも環境にも優しいLCCM住宅。ぜひ検討してみてくださいね。
ここまで読んでくださりありがとうございました。おうちキャンバスでは、他にも家づくりの有力情報をお届けしています。ぜひコラム一覧から他の記事も見てみてくださいね!
それではまた別の記事でお会いしましょう!
担当者コメント
LCCM住宅は高断熱で暖かく、快適に過ごせる住宅です。加えて、月々の光熱費も抑えられて家計にもやさしいです。
オンライン相談の詳細をみるしかし、通常の住宅よりも断熱性能を高めたり、大容量の太陽光パネルを載せる必要があるため、初期費用がかかります。そのために補助金制度がありますが、費用を考えるとLCCM住宅にするか否か悩んでしまいますよね。
そのようなときは、おうちキャンバスのオンライン相談で住宅アドバイザーにご相談ください。LCCM住宅を建てられるオススメのハウスメーカーから資金計画まで、幅広くお答えします!