四角い家・キューブ型の家ってどんな家?5つのメリットと注意点
「四角い家はスタイリッシュでかっこいい!」
「無駄がなくて洗練されたデザインが好き!」
最近四角い家やキューブ型の家が人気ですよね。
道を歩いていても昔の家とは違うオシャレなフォルムのお家を見かけるようになりました。
申し遅れました、おうちキャンバス編集部の菅原です。
私もお家を建てるにあたって、外観デザインはすごく悩みましたが、悩んでいる時間も楽しかったなあとしみじみ思います。
しかしお家の外観や形は、実は住んでからの生活に大きく関わるポイント。
日差しの入り方や部屋の温度などが構造によって異なってくるんです。
この記事では、お家を建ててから後悔することがないように、注意点や取り入れてほしい設備についてもご紹介していきます。
四角い家の特徴、オシャレに仕上げるコツと合わせて、皆さんの将来のお家を考えながら見てみてくださいね。
それでは参ります!
この記事を執筆したライター
過去に、住宅展示場に足を運び、色々なハウスメーカーの営業マンの売り込みを受けて、かえって疑問が増えた経験を持つ。
「もっと体系的な住宅情報が知りたい」と考え、家づくりの情報サイト「おうちキャンバス」を設立。ライターとして記事を投稿する。
家づくり専門アドバイザー
大学で材料工学・建築素材を研究、30歳でマイホーム購入を決意。コツコツと住宅知識を増やし、満足の家を建てた経験を持つ。現在は家づくりで役立つ情報をYouTube、SNSにて発信している。
四角い家・キューブ型の家とは?
そもそも四角い家・キューブ型の家とはどんなお家を指しているのでしょうか?
四角い家には明確な定義はありませんが、建物の凹凸が少なく、「屋根がフラット」で「軒がない」家を指すことが多いです。軒とは、住宅の屋根のうち、外壁や窓、玄関などよりも外側に出っ張っている部分のことです。
四角い家は「箱型住宅」「キューブハウス」のようにも呼ばれます。シンプルでモダンな雰囲気が人気のデザインです。
今回の記事では基本的にこのようなお家を「四角い家・キューブ型の家」としてお話していきます。
四角い家の5つのメリット
四角い家にはたくさんメリットがあります!今回は次の5つにスポットを当てて魅力をご紹介します!
- スタイリッシュなデザイン
- 建築コストが抑えられる
- デットスペースが少ない
- 耐震性に優れている
- 気密性を高めやすい
1.スタイリッシュなデザイン
一番のメリットは特徴的なデザインです。
四角い家は「スタイリッシュ」「モダンで可愛い」「未来的で都会的」などと称されます。昔ながらの日本の住宅とは違う形が目を惹きますよね。
2.建築コストが抑えられる
建築コストが一般的な形のお家よりも抑えられるのもメリットです。
その理由は「シンプルな箱型の形」にあります。
- 間取りが考えやすいため、設計費が抑えられる
- 施工のミスの可能性が低い、工期が短い→人件費が抑えられる
- 凹凸が少ないので材料費が安い
以上のような理由で、設計費・人件費・材料費が抑えられるため、全体のコストが下がるのです。
3.デットスペースが少ない
四角い家・キューブ型の家は、家の中に凹凸がないためデットスペースが生まれにくいです。一階と二階の面積が同じ総二階で、屋根がフラットな形をしていると、余分な屋根裏スペースもないので、家の中を余すところなく使えます。
デットスペースがない分、「逆に収納場所に困る!」という方もいらっしゃいます。間取り設計の時点で収納場所に関しては多めにとっておきたいですね。
4.耐震性に優れている
正面と真上から見た時に四角い家、つまり4つの側面と屋根からできているお家は、耐震性が高いです。
凹凸が多い家でも耐震性を高めることはできますが、耐震のための計算が複雑になります。その点、四角い家は構造がシンプルなので比較的容易に耐震性を高めることができるんです!
さらに1階と2階の大きさが同じ総二階ですと安定性が増します。
これは、総二階の場合、一階の梁(柱と柱の間を横に繋ぐ部材)の上に外壁が乗ることがないので、地震の時にも家の重みを支えやすくなるのが理由です。
5.気密性を高めやすい
構造がシンプルで壁や屋根に隙間が生まれにくく、気密性が高くなります。工事がシンプルなので大工さんのミスが起こりにくいのも気密性を減らせる理由です。
以上のような5点で四角い家・キューブ型の家は優れています。辺の数が少なく構造が単純なほど、価格も抑えつつ、気密性・耐震性に優れた家に住めるんですね!
しかし、メリットもあればデメリットもあるのが世の中です。
ここからは四角いお家の気をつけるべきポイントについてお伝えしていきます。
対処法も一緒にご紹介していますので、長く快適に住むために見ていきましょう!
四角い家の気をつけるポイント
四角い家は「軒がない」「屋根がフラット」という点で一般的なお家と異なります。その特徴ゆえに注意が必要なのが大きく以下の2点です。
【屋根がフラット】雨漏りのリスク
いったいどういうことなのか?対処法と合わせて詳しくご紹介します。
【軒がない】雨や日光の影響を受けやすい
住宅の軒は、雨や日差しが直接外壁や窓に打ちつけるのを防ぐ働きをしています。この軒がない四角い家・キューブ型の家ではさまざまなトラブルが考えられるんです。
軒がないことによるトラブルが以下のようなものです。
・夏場の日射が直に部屋まで入ってくるため、室温が上がりやすい
・暑くならないように南に大きな窓を作らないようにすると、冬に日光が入らず部屋が暗くなる
・軒がないため、雨の際ちょっとした物干しなどができない
・窓や外壁に雨が直接当たり、汚れがつきやすく、劣化も早まる
対処法①:軒やひさしを作る【軒なしトラブル全体の対策】
雨や日光に対するトラブル全体への対処法として「軒を作ってしまう」ことがあります。
「え!それじゃあ四角い見た目にならないんじゃ…」とご心配の方もいらっしゃいますよね。
でも大丈夫です。全体的に四角いビジュアルと、軒のあるメリットを両立しているお家は意外と多いんです。軒や庇(ひさし)、袖壁という方法がありますので、写真付きでご紹介します。
まずご紹介するのは「軒」と「庇」です。次の投稿のお家ではどちらも取り入れられています。
軒(のき)
軒は屋根のうち、外壁や窓、玄関などよりも外側に出っ張っている部分のことです。
こちらのお写真のお家では、軒部分を出すことで、窓に雨や日差しが直接当たるのを防いでいます。軒天が木目調なのがとても素敵ですよね!
庇(ひさし)
庇(ひさし)は軒と同じように出っ張っている部分を表すのですが、軒とは違い、屋根とのつながりはなく独立して取り付けられます。
写真のお家では玄関上につけられていますが、窓の上などにつけて雨や日差しを防ぐことも多いですよ!
ちなみに、この庇のある出入り空間は「玄関ポーチ」とも呼ばれます。
袖壁(そでかべ)
袖壁、と聞いてピンとこない方も多いですよね。袖壁とは柱の外側に突き出た小壁のこと。
次の写真をご覧ください。
こちらの投稿ですとわかりやすいですね!玄関横の白い壁が袖壁です。
セカンドバルコニーと合わせて玄関を囲むような形です。袖壁は横からの雨や風の直撃を防ぐことができます。
対処法②:断熱性能を上げる【二階の暑さ対策】
「二階が暑くて夏に使えない!」というお悩みには、断熱性能を上げることも効果的です。熱い太陽の熱を遮断し、冷房の冷気を逃さないような環境を整えましょう。
断熱性能を上げるには、以下のような方法があります。
- 断熱材を厚くする
- 窓の性能を上げる
- 気密性をあげる
気密性については、四角い家の構造上高めやすくなっています。断熱材や窓の性能にもこだわってみてくださいね。
窓の選び方についてはこちらのコラムでもご紹介しています!
▼「これで完璧!注文住宅の窓選び|窓が変われば暮らしも変わる」
対処法③:外壁の素材を工夫する【外壁の劣化対策】
直接雨や日光が外壁に当たることで、外壁の劣化が早くなります。対処法として「耐久性・メンテナンス性に優れた素材を使用する」という方法があります。
おすすめの素材の一つが「金属系サイディング」。
紫外線や熱に強く、窯業系サイディングよりもメンテナンス性に優れています。金属ならではの質感で現代的な見た目になるのもポイントです。
【屋根がフラット】雨漏りのリスク
四角い家・キューブ型の家は「陸屋根」と呼ばれるフラットな屋根にすることが多いです。この屋根の欠点として、「水が流れにくい」ことがあります。防水や排水がきちんとされず雨水が流れずに溜まっていると、屋根が傷んで雨漏りの原因になってしまいます。
対処法①:屋根を片流れ型にする
屋根を片流れにすると雨水を流せます。「見た目はどうなるの?」と心配の方もいらっしゃると思いますが、正面から向かって後ろ側に傾けたり、3方向をパラペットと呼ばれる低い壁で覆ったりすることで、正面と左右から見た外観は四角いままにできます。
対処法②:定期的に防水シートや塗装のメンテナンスをする
やはり雨漏りを直すよりも定期的にメンテナンスをする方が、価格も抑えられますし、不便な生活をすることもなくなります。
防水シートはゴムシートの場合10〜15年、塩化ビニルのシートなら10〜20年程度が耐用年数となっています。シートの剥がれや浮き・破れを見つけた際には、耐用年数に関わらず、早めに修復しましょう。
ここまで四角いお家のメリット、気をつけるポイントを学びました。
意外と注意することがたくさん…と思われるかもしれませんが、建てる時にしっかりと考えてしまえば、住んでいる間はそれほど困らずにすみます。この一手間をがんばりましょう!
ところでみなさんはどんな四角い家が好きですか?
シンプルさを追求したもの、フレームを組み合わせて動きを出したもの、と一言に「四角い家」と言っても外観はさまざまですよね。
ここからは、四角い家をセンス良く仕上げるポイントをご紹介します。
形や構造がシンプルだからこそ、細部をこだわるとおしゃれに見えます。ぜひ参考にしてみてくださいね!
【+α】四角い家をセンス良く仕上げるコツ
「四角い家が好きだけど、少しメリハリも欲しいかも」という方に向けて、外観にメリハリをつけてオシャレにするコツをご紹介します。
窓の位置を揃える
比較的簡単に取り入れられて、かつ効果的なポイントが「窓の位置を揃える」ことです。窓の縦の列・高さなどを揃えることで、バランスの取れた外観に仕上がります。
大きさや形・数などで家の表情がまったく違うものになりますね。
外壁の色を一部だけ変える
タイルやサイディングの色を一部変えるだけでもアクセントになります。
一部を木目調にしたり、ドアの色だけ目立つようにしたりすると、シンプルながらも目を惹きます。
外構にこだわる【木・照明】
こちらは家自体がシンプルだからこそ、外構にこだわるという方法です。
庭に大きめの木を植えて、そこをライトで照らします。
すると、家の壁に木の影が映る…というテクニックです!
こちらの投稿のお家がまさにそうです!白い壁に木のシルエットが映ってとても綺麗ですよね。お家の外観を建ててすぐに楽しむためには、最初からある程度大きい木を植えるのがオススメです。
バルコニーをつけて凹凸を出す
「凹凸がないとのっぺりした印象がある」と感じる方は、道路から見える方向にバルコニーをつけるのもいい方法です。インナーバルコニーにして奥まった形にしても、見た目のアクセントになりますよ。
二階の床とバルコニーの高さが同じで、部屋から段差なく移動できるタイプも最近は人気です!
四角いお家を建てられるハウスメーカーは?
「四角いお家にしたい!」「キューブ型のお家がいい!」と建てたいお家が決まったら、次に気になるのは「どのハウスメーカーにお願いするか?」ですよね。
結論から言うと、四角い家は基本的にどのハウスメーカーでも建てられます。
四角い家は最もシンプルな構造であり実現しやすいのです。
とはいえ選択肢が多いと迷ってしまいますので、四角いお家が特徴的なメーカーを4社挙げておきますね。候補に入れてみてください!
- 太陽光パネルをたくさん載せられる一条工務店
- ユニット工法で施工の精度が安定するセキスイハイム・トヨタホーム
- 四角い外観で屋上がつけられるヘーベルハウス
メーカー探しのスタンスとして、「四角いお家が建てられるメーカーを探す」というよりは、性能や価格帯・好みの設備などで選ぶのがオススメです。
おうちキャンバスの無料診断では、予算や設備・内装などからおすすめのハウスメーカーを調べることもできますので、ぜひご利用ください!
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まとめ
ここまでお疲れ様でした!
四角い家の最大の魅力であるスタイリッシュな外観の他にも、四角い家には建築コストが抑えられる・耐震性能に優れるなど、たくさんメリットがあります。
今回は注意する点もご紹介しましたが、そちらも考慮して家づくりを進めてもらえると、さらに快適な暮らしができると思います。
特に断熱性能や雨漏り対策にこだわってみてくださいね。
好みのお家が決まって、ハウスメーカーを探す際には、おうちキャンバスの無料診断もぜひご利用ください。好みの外観や内装、設備、予算からあなたにぴったりのメーカーをオススメします。
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それではここまで読んでくださりありがとうございました。あなたが素敵なお家を建てられることをお祈りしています!
担当者コメント
四角い家・キューブ型の家は構造的に安定した優れたお家です。
家づくりの無料相談窓口はこちら太陽光パネルを乗せやすいのも魅力の一つで、太陽光で発電した電気を使いたい光熱費を安くしたいなんて方にはオススメのデザインになっています。
このシンプルでモダンな見た目も、好きな人にはたまりませんよね。 窓の位置を揃えるだけでセンスが良く見えますので、簡単にできるポイントからこだわってみてくださいね。