ベランダは本当に必要?ベランダがない家のメリット・デメリット!
「ベランダがないと洗濯物はどこに干すの?やっぱり必要なんじゃないかな?」「ベランダがあっても結局使わないんじゃない?」
ベランダのいる・いらない問題は、最近よく耳にします。
少し前ならお家にベランダがあるのは当たり前に思えましたが、今はベランダやバルコニーをお家につけない方も増えてきているんです。
洗濯物や布団を外で干さない方が増えてきたのも大きな理由ですね。
今回の記事では、まずベランダがないお家のメリット・デメリットをご紹介します。その後にベランダをなくしたい方、ベランダをつけたい方それぞれにおすすめの設備や気をつけるポイントをお伝えします。
ベランダがない生活のメリット・デメリットを理解してベストな選択をしましょう!
この記事を執筆したライター
過去に、住宅展示場に足を運び、色々なハウスメーカーの営業マンの売り込みを受けて、かえって疑問が増えた経験を持つ。
「もっと体系的な住宅情報が知りたい」と考え、家づくりの情報サイト「おうちキャンバス」を設立。ライターとして記事を投稿する。
家づくり専門アドバイザー
大学で材料工学・建築素材を研究、30歳でマイホーム購入を決意。コツコツと住宅知識を増やし、満足の家を建てた経験を持つ。現在は家づくりで役立つ情報をYouTube、SNSにて発信している。
ベランダとは?バルコニーとの違い
そもそもベランダとは何なのかおさらいしてみましょう。
よく似た言葉にバルコニーもありますね。合わせて解説していきます。
建物から張り出したスペースのこと。基本的に屋根と柵・囲いがあります。一階でもベランダと呼びます。
二階以上にある建物から張り出した柵・囲いのあるスペースです。基本的に屋根はありません。
大きな違いが屋根のある・なしですね。ベランダが「あり」、バルコニーが「なし」です。
今回の記事では、バルコニーも含めて「ベランダ」と表します。
「ベランダ」と「バルコニー」どちらにも通じる内容をお伝えしていきます!
ベランダの役割を再確認!
それではまず普段ベランダをどのように使っているか改めて確認してみましょう。
主なベランダの役割・使い道は以下の6つです。
- 洗濯物や布団を干す
- 庭としてガーデニングや食事を楽しむ
- 強い日差しを遮る
- エアコンの室外機を置く
- ゴミの一時的な置き場になる
- 災害時の一時避難場所になる
どれも言われれば納得できると思います。災害時の避難場所というのは、洪水や火災になった時の逃げ場になるということです。
ベランダがない家のメリット【掃除がない、費用の節約etc.】
ベランダには上のような使い道がありますが、ベランダがないお家に住んでみて「やっぱりりつけなくてよかった!」と感じている方もいらっしゃいます。ベランダのないお家のメリットは大きく以下の4つです。
- 掃除しなくてもいい
- 部屋が広くなる
- 建築費、メンテナンス費の節約
- 防犯対策になる
面倒な掃除をしなくてもいい
ベランダは葉っぱや土埃、虫の死骸などで汚れてしまう場所でもあります。
鳥が巣を作ってしまうこともあり、きれいに保つのは意外と大変です。
掃除するにも、水栓がないとバケツで水を下から運んできて…と大変な作業になることも。こうした手間がないのはいいですね。
部屋が広くなる
ベランダをなくした分の面積で部屋を広くできることもあります。
収納を増やしたり、室内に洗濯物を干すスペースを作ったりする方が効果的と感じる人もいらっしゃると思います。
建設費・メンテナンス代の節約になる
ベランダを作るには初期費用が50万〜100万円ほどかかります。
また、防水仕上げを塗り替えるのに10年に一度10万円ほどかかります。
どんなベランダにも防水仕上げはされており、「FRP防水」が一般的な工事です。FRPとは繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)の略称で、軽量で耐久性・耐水性に優れているのが長所です。
しかし、経年劣化でヒビが入ってしまうこともあり、放置しておくと雨漏りの原因になります。景観維持・雨漏り防止のためにも、定期的なメンテナンスが必要になります。
防犯対策になる
警視庁の調査では、泥棒の4分の1はベランダから侵入するそうです。
プライバシーの観点で外から見えにくいベランダも増えているので、侵入されやすいんですね。ベランダをなくすと、侵入経路の一つをなくせます。
実際に「ベランダはいらない!」と思った人の声
「ベランダはなくてもいい」と生活の中で実感している方もいらっしゃいます。
基本的に家づくりで後悔してることってあんまり無いんだけど、唯一思うのは、「ベランダはいらない」😇部屋の一部にすればよかった🙄部屋干しのみだしウッドデッキあるし🙄1回しか出てないしその時虫死んでたからもう出たくない😂せめて虫が入らないように改造出来ないかなあ😣
— くれよん (@kureyon_money) May 3, 2022
ベランダ掃除頑張ったご褒美にシュークリーム食べるのです🙌
— 紺 (@hachi878) April 29, 2022
マンションだから仕方ないけど ベランダいらない😇
一軒家 イチから立てれるならベランダ絶対作らないわ🙅♀️ pic.twitter.com/YvqT48znaj
やはり洗濯物を干す必要がないことや、掃除の大変さが大きな理由ですね。
ベランダがない家のデメリット【洗濯物の場所、外観のアクセントetc.】
それでは反対に、ベランダがないお家のデメリットもみてみましょう。
- 洗濯物を干す場所がない
- 夏の日差し
- 外観にアクセントがなくなる
- 室外機を置く場所がない
- ゴミを置いておく場所がない
最初にベランダの役割として挙げたポイントができなくなるのがデメリットです。
洗濯物を干す場所がない
部屋の中で干すことになった時に生乾きの匂いで悩んだり、洗濯物がたくさん出た時に干しきれなかったりします。布団を干す場所がないのも困るポイントです。
一階に直接雨や日差しが入る
ベランダが一階の軒の役割を果たしているお家では、雨や日光が直接一階に入るのを抑えられます。そのベランダがなくなってしまうと、雨によって窓の汚れが気になったり、強い日差しが暑かったりするかもしれません。
外観にアクセントがなくなる
ベランダがなくなると、凹凸がなくなるのでのっぺりとした印象を持つ方もいます。ハウスメーカーのカタログにベランダ付きのお家が多いのも、見栄えがいいのが理由の一つです。
室外機を置く場所がない
室外機が二階のベランダに置けなくなると、外壁につけるか、ダクトを伸ばして一階に設置することになります。配管の見た目の面で気にされる方もいらっしゃいます。
ゴミを置いておく場所がない
段ボールがたくさん届いた時や、ゴミの日まで時間がある時に、ちょっと置いておく場所がなくなります。
実際に「ベランダがなくて困った!」と思った人の声
家建ててから、ここはあぁしとけば良かった、こうしとけば良かったって思うこと多い(´・_・`)
— あん🧸 (@pubg_anne02) May 5, 2022
とりあえず2階ベランダ全面的に欲しかったかも
庭に物干し竿付けるか┐(´-`)┌
やはり洗濯物や布団を干す場所がないと困ってしまいますよね。
庭で布団を干すとき、二階から布団を下ろす大変さを感じている方も多くいらっしゃいます。
「ベランダをなくしたい!」デメリットの解決方法
ベランダをなくすメリットも、デメリットもわかった上で、「デメリットをクリアしてベランダをなくせないかな?」とお考えの方もいらっしゃると思います。
そうなんです。今は洗濯物や外観などの問題を解消できる方法がたくさんあります。
次で紹介いたしますので、「これを取り入れればベランダはなくていいかも!」と考える参考にしてみてくださいね!
洗濯物の干す場所を確保するには?
ベランダをつけない方の中で一番大きな悩みが洗濯物の干す場所問題です。
解決するには、干す場所を室内に用意するという方法や、洗濯機の乾燥機能を活用するという方法があります。干す場所については、ランドリールーム、サンルーム、物干しアイテムの活用などが挙げられます。以下で詳しく見てみましょう!
ランドリールーム
洗濯に関する家事をするための部屋をランドリールームといいます。
洗う、干す、取り込む、アイロンがけ、たたむ、(しまう)がすべて一部屋で行えるようにすると、移動の手間がないので非常に便利です。
家族4人分の洗濯物を干すとすると、約2畳ぐらいの広さが欲しいですね
こちらがランドリールームの例です。
洗濯機のすぐ近くに物干しポールが備わっているのが見えるでしょうか?
これで重い洗濯物を運ぶ必要がありませんし、夜にも干すことができます。
お家によっては、キッチンの隣にランドリールームが設けられていたり、ウォークインクローゼットが隣接されていたりします。家事動線を意識したランドリールームも意識してみるといいですね。
サンルーム
サンルームとは、3方面の壁と天井をガラスで覆った屋内空間を指します。
ハウスメーカーによっては「太陽が当たる室内」と捉え、ランドリールームと同じ意味で使うメーカーもあります。
ガラス(または別の素材)で覆われているので、外気や天気に左右されることなく安心して洗濯物を干せます。太陽の光に当てられるのも嬉しいポイントです。
サンルームは洗濯物を干すだけでなく、子どもの遊び場やセカンドリビングとしての使い道もあります。
浴室乾燥機
浴室で、浴室乾燥機の「乾燥」モードで乾かす方法です。
あまり沢山は干せませんが、衣類へのダメージを抑えて乾かせます。
衣類乾燥機
最近はガス式の衣類乾燥機も人気です。
タオルなどがフワッフワに乾くと評判なんですよ!
浴室乾燥機よりもスピードやランニングコストに長けた乾燥方法です。
家族3〜 4人分を乾かすなら8kg対応をオススメします。
空きスペースに物干しアイテム
廊下や階段上、エアコン前などのスペースに、ポールを下げて洗濯物を干すのもいい方法です。特に室内用物干し金物「ホスクリーン」などは住宅メーカーでよく使われています。
「ホスクリーン」は天井や壁に取り付ける丸い本体部分と、そこにつけるリングがついたパイプからできていて、リングにポールを通す仕組みになっています。次のインスタグラムの投稿で実際のホスクリーンが見られます!
家の中に何箇所か設置しておけば、日当たりや洗濯物の量で干す場所を変えられます。さらにポールは取り外しできるので、干さない時は外しておけばインテリアにも影響が出ません。
夏の日差しを防ぐには?
ベランダが一階の軒の役割を果たしているお家では、雨や日光が直接一階に入るのを抑えていました。雨や夏の暑い日差しやを遮る対策としては、庇(ひさし)をつけることが挙げられます。
ひさしをつける
ひさしとは窓や玄関の上に突き出すように設置された小さな屋根のことです。
玄関の上に、板状のひさしがついているのがわかるでしょうか。
こうしたひさしをリビングの大きな窓の上につけると、日差しや雨が直撃するのを防げます。
防水のサンシェードを取り付ける
ひさし以外には、防水機能のあるシェードを取り付けるという方法もあります。
リビングの大きな窓に取り付けることで、遮熱・UVカット・防水効果を発揮します。見た目が可愛らしいものも多いです。
外観にアクセントをつけるには?
ベランダがない方がスッキリする!という意見もあれば、ベランダがないと何だかのっぺりしてしまう…という意見もあります。
ベランダがなくても、家にアクセントをつけたいという方のためのポイントをご紹介します。
玄関の上に屋根をつける
凹凸がなくてのっぺりしてしまうというお悩みは、玄関の上に屋根をつけたり、一階と二階の面積の差を出すことで解決できます。玄関上の屋根はちょっとした雨よけにもなっていいですよね。
タイルの貼り方を工夫する
タイルの貼り分けでもアクセントをつけられます。
こちらのお家では、先ほど紹介した玄関上の屋根と、タイルの貼り方の工夫が取り入れられていますね。ホワイトとブラウンの2色と玄関上の小さな屋根が、絵本の中のお家みたいでとっても素敵です!
窓の大きさや配置を工夫する
窓のデザインも外観を大きく左右するポイントです。
大きな窓をアクセントとしてつけたり、長方形の窓をリズム良く並べたりすることで、外観に個性を出せます。
こちらのお家では一部が木目調になっているのと、大きさの違う窓がバランスよく配置されているのが素敵ですよね。ちなみに、こちらの木目調の部分はサンルームなんだそうです!
室外機の置き場は?
ベランダがないお家の多くは、一階の地面に室外機を置き、そこから配管を伸ばして二階のエアコンと繋げています。直置きに比べ、配管が長くなる分、室外機から出る空気が外気温に影響され、エアコンの効率が落ちてしまう、というデメリットもあります。
しかし、ベランダではなく、一階の地面に室外機を置くことはそれほど悪いことではないんです。
ベランダに室外機を置いた場合、騒音やベランダが狭くなる、お子様の踏み台になり転落の危険につながるなどの不安な要素もあります。一階に置いた場合はその不安がなくなり、ベランダのメンテナンスなどもしやすくなります。
他に室外機の置き場所としては、一階の屋根の上や壁面などがあります。
「隠蔽(いんぺい)配管」といって壁の中に配管を隠す取り付け方もあります。見た目がスッキリして、好きな場所にエアコンが設置できるのがメリットです。
反対に、配管が長くなるため効率が落ちてしまったり、設置に費用がかかったり、トラブルの際に対応が難しかったりというデメリットもあります。
ハウスメーカーの方とも相談してみてくださいね。
ゴミを置いておく場所は?
ゴミをちょっと置く場所がないから、ベランダを作る!という方はあまりいらっしゃらないかもしれませんが、生ごみの臭いの対策法をお伝えします。
しっかり縛って冷凍する
生ゴミというと抵抗があるかもしれませんが、元々は冷蔵庫に入っていた食材の一部です。縛って冷凍しておくと臭わなくなるんです。
蓋つきのゴミ箱にする
密閉できるゴミ箱に入れておくことで臭いは抑えられます。
袋を二重にしたり、蓋の裏に消臭剤を貼り付けたりすると、さらに効果を期待できます。
「やっぱりベランダは必要かも」ベランダをつける際の注意点
「やっぱりベランダはあった方がいいかも。」
そう思った方はまず、「ベランダで何をしたいのか?」という目的を考えると失敗しづらいです。
洗濯物を干したいのか、ガーデニングやベランピングを楽しみたいのか、お家によりそれぞれだと思います。そうした目的を叶えられるように、必要な広さ・屋根・設備を考えましょう!
広さの目安 洗濯物を干すなら奥行1.3mはマスト!
「ベランダはあるけど、狭すぎてほとんど使わなかった…」と後悔される方もいるほど、ベランダの広さは大切です。
ベランダの目的による広さの目安は以下の通りです。
用途 | 奥行き |
---|---|
洗濯物を干す | 130cm以上 |
ガーデニングをする | 130cm以上 |
テーブル・椅子を置いて食事をする | 150cm以上 |
ベランダは奥行き90cmが一般的ですが、図面上で90cmでも実際には奥行きが80cm弱になってしまいます。洗濯物を干すことはできますがかなり窮屈です。
そのため、洗濯物を干すなら最低でも100cm、ストレスなく使うなら130cmほどの奥行きが必要になるんです。
幅は、布団を干すと考えた場合、布団1m×人数分となるので、4人家族なら4.5mが目安です。布団を干さない場合でも、室外機を置いて洗濯物を干すなら4m程度あるとゆったりと使えます。
屋根の有無:洗濯物を雨から守る
ベランダ・バルコニーの屋根が必要かどうかも考えるべきポイントです。
屋根があれば、洗濯物を干して出かける時も少しの雨なら防げるのでいいですよね。
インナーバルコニーという形にするのもオススメです。
普通のバルコニーと違い、建物の内側に入り込んだバルコニーで、屋根や壁に囲まれていながらも開放的な空間を楽しめます。
水栓の有無:掃除や水やりには水栓があると◎
ベランダ掃除や植物の水やりのために一階から水を運んでくるのは大変ですよね。
そんな時、水栓がついていると便利です。シャワーホースをつないで簡単に掃除や植物への水やりができます。
後付けは少し費用がかさむので、ベランダの用途によっては最初からつけておくことをオススメします。
【まとめ】ベランダの有無はライフスタイルに合わせて
ベランダの有無は生活スタイルに合わせて選びましょう!
ベランダのないデメリットの解決法で、問題が解決できそうな方はベランダをつける必要はないかもしれません。
しかし、ベランダで太陽の下で洗濯物を干したり、植物を育てたりという生活もやはり素敵です。
「自分がベランダでしたいことはあるのか?少しお金をかけてでも叶えたいものなのか?」と話し合ってみてください。
ベランダのことを考えつつもまだハウスメーカー選びに迷っている、という方がいらっしゃいましたら、お家キャンバスの無料診断をご利用ください。
外観や性能、設備の好みから、あなたに合ったハウスメーカーをおすすめします!
それではここまで読んでくださりありがとうございました!
ベランダについて吟味して、素敵なお家にしてくださいね!
担当者コメント
最近はベランダやバルコニーを作らないお家も増えてきています。
その理由は部屋干し環境の進化です。洗濯機から近い場所で干す・畳むができるようなランドリールームを室内に設けることで、重い洗濯物を運ぶ手間も無くなりますし、天気や時間を選ばずに洗濯物を干せます。
家づくりの無料相談窓口はこちらベランダがないお家のランドリールームは、窓の位置や大きさ、換気機能なども含め、各ハウスメーカーが力を入れているところです。
とはいえ、お日様のもとで干した布団が気持ちいいのは確かですよね。ご家族の方やハウスメーカーの担当の方とも話し合いながら、ベランダ・バルコニーの有無について考えてみてくださいね。