長期優良住宅の補助金制度・減税制度とは?おトクに賢く家を建てる方法を解説
「長期優良住宅の補助金っていくらもらえるの?」
「どうやったらもらえるの?」
こんにちは! おうちキャンバス編集部の菅原です。
長期優良住宅とは、何世代にもわたって住み続けられる住宅のこと。
良質で、長く住み続けられる持続的な住宅を増やしていこう!という目的のもと、政府が推進している住宅なんです。
そのため、長期優良住宅を新しく建てる場合や、長期優良の仕様に家をリフォームする場合は補助金が出ます。
しかし、それだけではありません。
長期優良住宅は、減税が受けられたり住宅ローンの金利が引き下げられたりとおトクな制度がたくさんあるんです。
家を建てたりリフォームしてから「え!?そんな補助金あったの?」「申請すればよかった...」と気づいたのではもったいないですよね。
家を建てよう!リフォームしたい!とお考えの場合は、ぜひ長期優良住宅のおトクな制度について知った上で、どんな家を建てるか、家をどうリフォームするのかを検討してみてくださいね。
そのために、この記事では、長期優良住宅のおトクな制度を5つご紹介していきます!
いくら補助されるのか?どうやって申請するのか?も含めてお話ししていきます。
ぜひ参考にしてみてください。(2022年6月22日時点の情報です。)
まず初めに「長期優良住宅とは何か」をざっくりと説明してから、補助金について触れていきます。
「長期優良住宅が何かはもう知っているよ!」という方は「長期優良住宅のおトクな制度①補助金」の章からお読みくださいね。
この記事を執筆したライター
過去に、住宅展示場に足を運び、色々なハウスメーカーの営業マンの売り込みを受けて、かえって疑問が増えた経験を持つ。
「もっと体系的な住宅情報が知りたい」と考え、家づくりの情報サイト「おうちキャンバス」を設立。ライターとして記事を投稿する。
家づくり専門アドバイザー
大学で材料工学・建築素材を研究、30歳でマイホーム購入を決意。コツコツと住宅知識を増やし、満足の家を建てた経験を持つ。現在は家づくりで役立つ情報をYouTube、SNSにて発信している。
長期優良住宅とはどんな家?
長期優良住宅とは、数世代にわたって良好な環境を維持し、暮らすことのできる住宅のことを言います。
実は、日本の住宅は世界の住宅と比べると性能がかなり遅れていると言われています。
海外では「おじいちゃんが家を買い、息子が別荘を、孫がヨットを買う」という言葉があるくらい、一つの家に何世代にもわたって暮らすことが普通なんです。
そこで、日本でも長く暮らせる良質な住宅を増やしていこう!という思いのもと、政府は長期優良住宅を推進し始めました。
長期優良住宅の認定が始まったのは平成21年のこと。
初めは新築住宅のみを長期優良住宅としていましたが、平成28年には既存の住宅をリフォームした場合でも、基準を満たせば長期優良住宅として認められるようになりました。
長期優良住宅として認められるためには、以下の8つの基準を満たす必要があります。
(戸建て住宅の場合です。共同住宅の場合はこれらの基準に加えて可変性とバリアフリー性が必要になります。)
「長期優良住宅の基準って結構多いな...」
と思われたかもしれません。
ですが、長期優良住宅の認定を受けるのは実はそこまで難しいことではないんです。
というのも、長期優良住宅の8つの認定基準はどれも住宅にとって大切な要素だから。
太陽光パネルのように、住宅に新しい何かを付け加えるのではなく、住宅の基礎をしっかり固めることが重要なんです。
そして、長期優良住宅は補助金の他にも、減税などのおトクな制度があります。
下記は、長期優良住宅を建てるときに受けられるおトクな制度です。
- 2つの補助金制度
- 5つの減税制度
- 住宅ローンの金利引き下げ
- 地震保険料の割引
- 贈与税の非課税
まずは補助金から、順番にご紹介していきますね。
長期優良住宅のおトクな制度①補助金
長期優良住宅には二つの補助金制度があります。
- 地域型住宅グリーン化事業
- 長期優良住宅化リフォーム事業
地域型住宅グリーン化事業
1つ目の補助金は、地域型住宅グリーン化事業の補助金です。
地域型住宅グリーン事業は、平成27年度に始まった事業です。
省エネルギーや耐久性・耐震性に優れた木造住宅の拡大や、地域の木造住宅市場の振興による地域経済の活性化を目的としています。
そのため、長期優良住宅の建築や整備に対して補助金が出ます。
補助額は、補助対象経費(建築費や電気・ガス・給排水設備の工事費)の1 割以内の額で、最大110万円です。
しかし、注意してほしいのが、地域型住宅グリーン化事業の補助金は、あらかじめ国に決められた地域の中小工務店等が工事をする場合のみ適用されるということです。
地域型住宅グリーン事業は地域の木造住宅市場の振興による地域経済の活性化を目的としているため、国から認定された地域の中小工務店に建築を依頼する場合のみ補助が受けられます。
そのため、全国規模の大手ハウスメーカーに建築を依頼したい!という場合は地域型住宅グリーン事業は適用されません。
施工可能な中小工務店はこちらのサイトから探すことができます。
(地域の住まいづくりのお手伝い〜地域型住宅グリーン化事業採択グループのご紹介〜というサイトに遷移します)
長期優良住宅の認定と補助金の申請は複雑です。 スムーズに、かつ確実に申請を行うためにも、長期優良住宅の認定申請と補助金申請は建築会社に依頼しましょう!
長期優良住宅化リフォーム事業
*さらに追加の要件を満たす場合、それぞれに+50万円の補助金が加算されます
長期優良住宅化リフォーム事業は、既存の住宅を長期優良の仕様にリフォームする際に補助金が出る制度です。
長期優良住宅化リフォーム事業の補助金を受けるには以下の要件があります。
- インスペクション(建物状況調査)
- リフォーム
- 維持保全計画およびリフォーム履歴を作成すること
インスペクションとは、リフォームを行う前に必要な建物状況調査のことです。
まずインスペクションを行い、建物がどれくらい傷ついていて修繕が必要なのかを確認します。
そして、その上でリフォームを行います。
補助が出るリフォームの内容は以下の通りです。
・長期優良住宅の認定項目を満たすための住宅の性能向上工事
・インスペクションで指摘を受けたところの工事
・三世代同居対応のための工事(キッチンや玄関の増設)
・子育て世代向け改修工事(キッズスペースの設置、防犯カメラの設置、対面キッチンへの変更など)
・防災性・レジリエンス性の向上改修工事(止水ばんの設置、瓦の交換など)
実は、長期優良住宅化リフォーム事業には評価基準型と認定長期優良型という2種類があります。
認定長期優良型の方が認定基準が高いぶん、補助額も高くなります。
補助金の額は評価基準型で最大100万円、認定長期優良型で最大200万円に設定されています。
しかし、以下の要件を満たす場合は上記の金額に+50万円補助金が加算されます。
・三世代同居対応のための工事を行う場合
・若者世代の場合(40歳未満)
・子育て世代の場合(令和4年4月1日時点で18歳未満の子供がいる)
・既存住宅を購入した場合(自ら居住する既存住宅を購入し、売買契約後1年以内に工事を実施する場合)
そして、長期にわたって住宅の優良な状態を維持し続けるための計画を立てることになります。
それが維持保全計画です。
これらの、インスペクション、リフォーム、維持保全計画を満たした場合に補助金が受け取れるようになります。
長期優良住宅の認定申請と補助金の申請は建築会社に依頼しましょう!
補助金の還元方法は2種類あります。
①補助金受領後に、事業者が発注者に全額支払う方法
②工事代金から補助金部を差し引く方法
どのようにして補助金が還元されるのかは建築会社に確認してみてくださいね。
長期優良住宅のおトクな制度②減税
長期優良住宅に適用される減税制度は5つあります。
- 所得税の住宅ローン減税
- 所得税の投資型減税
- 登録免許税の引き下げ
- 不動産取得税の控除額の増額
- 固定資産税の減額期間の延長
所得税の住宅ローン減税
1つ目の減税制度は所得税の住宅ローン減税です。
「住宅ローン控除」とは、住宅ローンを利用して住宅を購入した場合に、「年末時点での住宅ローンの残高の0.7%」が、入居から13年間、所得税から控除される制度です。
(所得税から引ききれなかった分は住民税から差し引かれます。)
通常の住宅では、年末時点でのローン残高の限度額は3000万円です。
しかし、長期優良住宅に認定された場合は、年末時点でのローン残高の限度額が3000万円から5000万円に上がります。
つまり、通常の住宅では最大で273万円を控除することができますが、長期優良住宅の場合は最大で455万円控除することが可能なんです
(2022年〜2023年に入居の場合です。)
しかし、入居が2024年〜2025年になった場合借入減額は減少します。
通常の住宅で2000万円、長期優良住宅で4500万円に引き下げになってしまいますので注意してくださいね。(2022年6月時点での情報です。)
所得税の投資型減税
投資型減税では、家の性能強化にかかった費用の10%をその年の所得税から引くことができます。
ちなみに、住宅ローン減税と投資型減税の併用はできません。
なぜなら、投資型減税は、ローンを利用せずに自己資金のみで住宅を購入・建築する場合に利用する制度だからです。
投資型減税も自分で確定申告する必要があります。
登録免許税の引き下げ
- 保存登記の税率が0.15%→0.1%に引き下げ
- 移転登記の税率が0.3%→0.2%に引き下げ
登録免許税とは、法務局に土地や建物の所有権を登録する時にかかる税金のことです。
「そんなところにまで税金がかかるの?!」と驚かれるかもしれませんね。
登録免許税は、土地を相続したときや、売買によって建物の所有者が変わった時などにも発生します。
ちなみに、新築の場合は保存登記、中古住宅を購入した場合は移転登記が必要になります。 そして、長期優良住宅の場合、保存登記と移転登記それぞれの税率が引き下げられるんです。
保存登記の税率は0.15%から0.1%に、移転登記の税率は0.3%から0.2%に引き下げられます。
登録免許税の引き下げは、登記の申請書と住宅の証明書(住宅用家屋の床面積が50㎡以上であること等の一定の要件を満たす旨の証明)を用意し、新築または住宅取得後一年以内に登記することで引き下げられます。
不動産取得税の控除額の増額
不動産取得税とは、土地や建物などの不動産を取得したときに課される税金です。 土地や建物の購入や贈与、建築などをするとかかります。
課税額は、(固定資産税評価額ー控除額)️× 税率(3%)で求められます。
通常の住宅では控除額が1200万円ですが、長期優良住宅では控除額が1300万円に増額します。
不動産取得税の控除額の増額には、申告書や長期優良住宅の認定通知書などが必要です。 申請先はお住まいの地域によって異なりますので、お住まいの地域の県税事務所や都税事務所を確認してみてくださいね。
固定資産税の減額期間の延長
長期優良住宅の大きなメリットの一つとも言えるのが固定資産税の減額期間の延長です。
固定資産税は、時が経ち資産が消耗していくにつれて減額していきます。
例えば、木造住宅は家を建ててから25年で固定資産税が約80%まで下がっていきます。
とはいえ、家にかかる固定資産税は地味に大きい負担ですよね。
ですので、そのうちの最初の5年間、まだ固定資産税が高いうちを半額にできるのはかなりおトクなんです。
ちなみに、固定資産税は、家が豪華で設備が強くなればなるほど高くなります。
例えば、家を鉄骨住宅にしたり、外壁をタイルにしたり床暖房をつけると固定資産税は上がります。ちなみに、家の中にエレベーターをつけると固定資産税はとんでもなく上がります。
そのため「設備を充実させて、豪華な家を建てたい!」という方は長期優良の住宅にして固定資産税を安くするのもおすすめですよ!
固定資産税減額期間の延長は、申告書や長期優良住宅の認定通知書などが必要です。 申請先はお住まいの地域によって異なりますので、お住まいの地域の県税事務所や都税事務所を確認してみてくださいね。
長期優良住宅のおトクな制度③住宅ローンの金利引き下げ
- フラット35でローンを借りる場合、最初の10年間は金利が0.25%引き下げになる
- フラット35(維持保全型)とフラット35s(金利Aプラン)の併用で、最初の5年間金利が0.5%引き下げ、6年目〜10年目は金利が0.25%引き下げになる
- フラット50でローンを借りる場合は返済期間が50年間になる
フラット35とは、民間の金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する最長35年の固定金利住宅ローンです。
フラット35にはさまざまなプランがあります。
長期優良住宅の場合は、フラット35s(金利Aプラン)で、初めの10年間は金利が0.25%引き下げとなります。
また、フラット35(維持保全型)とフラット35s(金利Aプラン)を併用することで、最初の5年間金利が0.5%引き下げ、6年目〜10年目は金利が0.25%引き下げになります。
さらに、フラット50は、長期優良住宅を取得する際に利用でき、返済期限が最長50年となります。
フラット35の標準の返済期限が35年なので、かなり長期で返済をすることが可能になります。
長期優良住宅のおトクな制度④地震保険料の割引き
- 耐震等級2の場合:30%割引
- 耐震等級3の場合:50%割引
- 免震建築物の場合:50%割引
長期優良住宅のお得な制度の4つ目は地震保険料が割引になることです。
東日本大震災以降、地震の恐ろしさを痛感した方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
近年では首都直下型地震が起きるとも言われています。 万が一のためにも、地震対策をしておくに越したことはありません。
地震保険とは、政府と民間の保険会社が共同で行っている保険です。
では、なぜ地震保険料が割り引かれるのでしょうか?
長期優良住宅の認定基準の一つに「耐震性」という項目があります。
長期優良住宅は、長い期間優良な状態を保つためにも耐震性が高い構造であることが必須になっているんです。
地震保険料は耐震性が高い建物ほど割引の割合が高くなります。
そのため、長期優良住宅を建築する際は、申請を出すことで地震保険料を安く抑えることが可能なんです。
割引も含めた地震保険料はこちらのサイトで調べることができます。 (クリックすると日本損害保険協会というサイトへジャンプします。)
長期優良住宅のおトクな制度⑤贈与税の非課税
長期優良住宅のおトクな制度の5つ目は贈与税の非課税枠が増えることです。
家を建てる際に、親や祖父母から贈与を受ける方もいらっしゃるのではないでしょうか。 その場合、贈与に対して贈与税がかかります。
「なんで親からもらったお金に税金がかかるんだ...」と思ってしまいますよね。
しかし贈与税には、「ここの金額までなら、いくら贈与を受けても税金は課されないよ」という非課税枠があります。
通常の住宅の場合、非課税枠は500万円です。
ですが、長期優良住宅の場合は非課税枠が1000万円まで増加します。
そのため、家を建築する際に贈与を受ける予定がある方、その贈与額が500万円を超えそうな方は長期優良住宅の認定を受けることをオススメします。
贈与税の非課税を受けるためには、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、非課税の特例の適用を受ける旨を記載した贈与税の申告書に戸籍の謄本、新築や取得の契約書の写しなど一定の書類を添付して、納税地の所轄税務署に提出する必要があります。
引用:国税庁
長期優良住宅は建築会社に申請してもらうのがオススメ!
長期優良住宅の認定は建築会社に依頼するのがオススメです。
なぜかというと、長期優良住宅の申請は、手順がとても複雑だからです。
長期優良住宅申請の流れは、ざっくりいうと、
- 登録住宅性能評価機関に住宅が長期優良構造等であるかの確認の申請をする
- 確認書が交付される
- 所管行政庁に認定の申請を行う
- 認定される
という流れになっています。
まず長期優良構造であることを確認してもらってから認定を受けるという二重の手続きを踏まなければならず、その度に申請先も必要な書類も異なってきます。
建築会社に依頼することにより申請費用はかかってしまいますが、スムーズに、かつ正確に長期優良住宅の申請を受けるためにも、長期優良住宅の建築・申請経験のある建築会社に依頼するのがオススメです。
(申請費用は建築会社によって異なります。10万円後半のところもあれば20万円以上のところもあります。詳しくはご契約する建築会社さんに確認してみてくださいね。)
ハウスメーカーによっては、建てている住宅がもともと長期優良住宅仕様になっているところもあります。 例えば、住友林業は長期優良住宅の認定条件をクリアすることが標準仕様となっています。 そういったハウスメーカーは長期優良住宅の申請も慣れているので安心できますよ。
長期優良住宅のメリット
ここまで長期優良住宅の補助金や減税制度についてご紹介してきました。
長期優良住宅については、補助金が出るということをきっかけに興味をお持ちになる方が多いです。
ですが、長期優良住宅には補助金が出ること以外にもメリットがあるんです。
- 住みやすい環境を長く保てる
- 資産価値が高いため高く売れる
- 申請時に建物が地震に強いかを確認してもらえる
まず、住みやすい環境を長く保てるということ。
長期優良住宅は省エネ性能を高めるため、家が高断熱・高気密の造りになっています。
そのため、夏は涼しく冬は暖かい快適な暮らしが送れます。
また、長い期間快適な生活が送れる住宅ということで性能が評価されているので、家を売るときは通常の住宅よりもプラスにみてもらえます。
さらに、長期優良住宅は認定時に「耐震性」という項目を満たしていることが条件となります。
そのため、家がどれくらい地震に強いかを細かく計測してくれるので安心して住むことができるんです。
長期優良住宅のデメリット
一方で、長期優良住宅のデメリットは大きく2つあります。
- 申請に費用がかかる
- メンテナンスの履歴を記録しなくてはならない
一つ目のデメリットは長期優良住宅の申請に費用がかかるということです。
先ほどもお話ししてきましたが、長期優良住宅の申請手順はかなり複雑です。
そのため、長期優良住宅を建てる場合、ほとんどが申請を建築会社に依頼します。
建築会社はプロですし、これまでにも長期優良住宅の申請の経験があるのでスムーズかつ確実に申請を行ってくれるんです。
申請費用は建築会社によって異なりますので、ぜひ確認してみてくださいね。
しかし、
「申請に費用がかかるし、家を長期優良仕様にしなきゃいけないんだったら、たとえ補助金をもらえても、普通の家を建てるより割高になるんじゃない...?」 と疑問が生まれるかもしれません。
ですが、そんなことはありません。
なぜなら、長期優良住宅を建てるからといって、建設費用が跳ね上がることはそうそうないからです。
長期優良住宅の認定基準はどれも家にとって大事な要素ですよね。(劣化対策や耐震性など)
普通の家と大きく変わるわけではなく、基礎をしっかりと固めている家が長期優良住宅なんです。長期優良住宅にするからといって、通常の住宅にない新しい設備を導入したりするわけではないので、建設費用が跳ね上がる心配はありません。
補助金をもらえたとしても、逆に費用がかかってしまうのではないか?と心配な場合は建築会社に確認してみてくださいね。
さて、長くなってしまいましたが、2つ目のデメリットにまいりましょう。
二つ目のデメリットはメンテナンスの履歴を記録しなくてはならないということです。
長期優良住宅は、優良な居住環境を長期間保っていることが必須条件です。
そのため、約10年の間隔で定期的な点検を行い(地震・台風時には臨時の点検を実施。)、その結果を踏まえて必要であれば修繕を行います。
そしてそれらの点検と修繕の記録を保管しておかなくてはならないんです。
「いちいち記録するなんてめんどくさい...」と思ってしまうかもしれませんが、記録を怠っていると罰金が課されることも...。
記録は大変ですが、長期優良住宅を建てる際はしっかり記録を残すようにしておいてくださいね。
長期優良住宅以外の補助金制度とは
ここまで、長期優良住宅の補助金や、そのほかのおトクな制度をご紹介してきました。
ですが、長期優良住宅の他にも、家を建てるときに知っておきたいおトクな制度があります。
ここからは、長期優良住宅以外にもおトクに家を建てられる補助金制度をご紹介していきます。
エコ住宅の補助金
長期優良住宅は、高断熱・高気密な造りで冷房や暖房などのエネルギー消費を減らせることから「エコ住宅」の一つとされています。
実はエコ住宅は長期優良住宅の他にも種類があり、それぞれに補助金があります。
エコ住宅の補助金 | エコ住宅の説明 | 補助金の内容 |
---|---|---|
認定低炭素住宅 | 基準を越える省エネルギー性能を持ち、CO2の排出を抑える対策がとられた住宅 | 地域型住宅グリーン化事業 |
ZEH住宅(ぜっち) | 太陽光パネルを使ってエネルギーを生み出すことで、消費エネルギーがゼロになる住宅 | 地域型住宅グリーン化事業 ZEH支援事業 |
LCCM住宅 | 住宅の建築〜解体まででCO2の排出をマイナスにする住宅 | LCCM住宅整備推進事業 |
エコ住宅についてはこちらの記事で詳しくご紹介していますので、ぜひ見てみてくださいね。(エコ住宅の記事へジャンプします。)
子育てエコホーム支援事業
子育てエコホーム支援事業は2024年3月下旬開始の新しい制度です。
子育て世帯や若者夫婦の省エネ住宅の取得を目的としています。
(子育て世帯とは、申請時点で2005年4月2日以降に出生した子供を有する世帯のこと。若者夫婦は、申請時点において夫婦であり、いずれかが1983年4月2日以降に生まれた世帯のことを言います。)
補助額は住宅の性能によって異なっています。
住宅の性能 | 補助額 |
---|---|
長期優良住宅 | 100万円 |
ZEH住宅 | 80万円 |
対象となる住宅の条件
- 対象世帯が新たに発注(工事請負契約)する
- 発注者または購入者が自ら居住する
- 住戸の延べ面積が50㎡以上240㎡以下である
- 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律に基づく、土砂災害特別警戒区域または災害危険区域に立地しない
- 基礎工事より後の工程の工事への着手が令和5年11月2日以降である
子育てエコホーム支援事業は他の長期優良住宅の補助金と同じく、国が実施する制度です。
そのため、子育てエコホーム支援事業と補助対象が重複する長期優良住宅の補助金は併用できません。
国が実施する補助事業は他にもあります。
長期優良住宅の補助金と併用できない補助金制度は以下になります。
・住宅・建築物安全ストック形成事業
・次世代省エネ建材支援事業
・既存住宅における断熱材リフォーム支援事業
一方で併用可能な制度は以下になります。
・住まいの復興給付金
・介護保険制度による住宅改修費
まとめ
さて、この記事では、長期優良住宅の補助金制度や、長期優良住宅以外のおトクな制度についてもご紹介してきました。
それでは、最後にこの記事のポイントを振り返っていきましょう!
長期優良住宅のおトクな制度
- 2つの補助金
- 5つの減税制度
- 住宅ローンの金利引き下げ
- 地震保険料の割引
- 贈与税の非課税枠の増額
長期優良住宅は建築会社に申請してもらうのがオススメ
長期優良住宅のメリット
- おトクな制度がある
- 住みやすい環境を長く保てる
- 資産価値が高いため販売するときに高く売れる
- 申請時に建物が地震に強いかを確認してもらえる
長期優良住宅のデメリット
- 申請に費用がかかる
- メンテナンスの履歴を記録しなくてはならない
いかがでしたでしょうか?
長期優良住宅のおトクな制度について詳しくなっていただけましたでしょうか。
長期優良住宅以外にも、活用できるおトクな制度はたくさんあります。
さまざまな制度をうまく活用して、おトクに素敵な家を建てましょう!
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました!
また別の記事でお会いしましょう!
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担当者コメント
2022年、東京都の新築住宅に太陽光パネルの設置が義務付けられました。
そのように、これから先の住宅はよりエコで持続可能なものになっていきます。
その流れに乗る意味でも、補助金や減税などのおトクな制度を活用して、長く快適に暮らせる家をいち早く建てていくのはいかがでしょうか?
新築住宅購入時に知っておきたいローン情報、ZEH情報については、ぜひこのサイトの他のコラムを参考にしてみてくださいね。
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