「自分の夢のマイホームだったはずなのに、後悔ばかりで朝起きるだけで辛い」
「建ててすぐですが、リフォームしたくてたまりません」
ずっと夢だったマイホームでも、こんな悲しい声がSNS上には上がっています。他人から見れば欠点とは言えないような点も、こだわって作った本人からすれば気になって気になって仕方がないことがあります。
こんにちは。おうちキャンバスのライター菅原です。
注文住宅の後悔の多くは「イメージ不足」が原因。
「この間取りは使いづらくないか?」「これを置くスペースはあるか?」とできる限り詳細にイメージしていくことで、後悔の種を減らせます。
今回の記事では、このイメージをしやすくするために、家づくりの流れに沿って、考え方や後悔事例・後悔しないための改善策を紹介していきます。
家づくりを始めたばかりの方から、もう少しでハウスメーカーと契約するという方まで、理想のマイホームを叶えるためにぜひ読んでみてくださいね。
それでは参ります!
家づくり専門アドバイザー
大学で材料工学・建築素材を研究、30歳でマイホーム購入を決意。コツコツと住宅知識を増やし、満足の家を建てた経験を持つ。現在は家づくりで役立つ情報をYouTube、SNSにて発信している。
【アンケート調査】マイホームを建てた約90%の人が何かしら後悔していることがある
私たちおうちキャンバスで行ったインターネット調査では、「後悔していることや不満だったことを教えてください」という設問を設けました。
そこで「特にない」「満足している」と答えたのはたったの10%。
約90%の人は家そのものや家づくりの過程の中で何かしら後悔していることがあるという結果になりました。
以下が後悔していることの例です。
(千葉県在住)
【窓の後悔】
東西に風が抜けるように大きな窓を設置しましたが、冬はとても寒いです。
(大阪府在住)
【間取り・収納の後悔】
部屋の仕切を極力なくしたのですが、子どもが成長するにつれて必要だったかなと後悔しています。また、蔵を作ったのですが広すぎたとも思います。思ったより空きスペースができてしまいました。
(岐阜県在住)
【断熱性の後悔】
断熱性がほかのハウスメーカーと比べると怠る面です。永年の劣化で効果がなくなってくるので心配です。
■対象期間:2022年02月17日〜2022年03月03日
■募集形式:インターネット調査
■調査対象:過去20年以内にハウスメーカーで注文住宅を建てた男女(73人)
窓や間取り、断熱性能など後から変えることが難しい部分でも後悔している方が多数いらっしゃいました。みなさん真剣に家づくりをしているのにも関わらず、なぜ後悔してしまうのでしょうか?
注文住宅の後悔は「イメージ不足」が原因
注文住宅で生まれる後悔の多くは「イメージ不足」が原因です。
家づくりの成功はマイホーム購入後の暮らしをいかにリアルに想像できるかにかかっています。まずそのための第一歩が「何のために家を建てたいのか」を言語化しておくことです。
「実家が寒かったから、高気密・高断熱の暖かい家にしたい」
「子どもの泣き声が周りに気にならない、防音性が高い家にしたい」
「夢のビルトインガレージのある暮らしにしたい」
今の家への不満や育った環境をもとに、新築で叶えたい希望を言葉にしてみましょう。
そうすると、「高気密・高断熱にするには、窓の性能を上げて、断熱性能がいいメーカーにして、あまり大空間にするのはやめて…」と詳細な家の中のイメージもしやすくなってきます。
また、間取りのことだけではなく、多くの人が35年間払っていくローンや、月々のランニングコスト、15年後のメンテナンスのことまで、長い目で見てイメージしなければいけません。
以下では後悔事例を家づくりの進め方に沿って紹介しますので、マイホームでの暮らしをイメージしながら、注意点を学んでいきましょう!
家づくりは「予算→ハウスメーカー→土地」で考える
まずはそもそもの家づくりを進める順番について学んでいきましょう。
正しい家づくりの順番は大まかに「予算→ハウスメーカー→土地」です。
- 見積もり後のミスマッチを防ぐために、まず予算を決める
- 自分の予算と希望する条件に合うハウスメーカー1〜3社に絞る
- ハウスメーカーに相談して、「自分の生活スタイルに合う土地」を探してもらう
これが効率よく理想の家を建てる最短ルートです!
この流れを間違えると、大幅に予算オーバーしてしまったり、希望の家が建てられなかったりと大きな後悔に繋がってしまうことがあります。
それでは、家づくりの進め方に関しての後悔事例を見てみましょう。
失敗例1:土地探しが先だと考えていたため、間取りをじっくり考える時間を逃してしまった
家づくりの流れを詳しくはわかっていませんでした。家の間取りを考えるのは土地が決まってからだと思い、ほとんど何も考えていませんでしたが、意外に早く間取りを考えるタイミングがやってきました。
ハウスメーカー契約と土地の契約を同時にするために急いでいたこともあり、あまり深く考えないまま、間取りの大枠が決定。重要な部分なので、もっとじっくり考えたかったです
土地探しは、大まかな間取りを決め、それが建てられる土地を探すという流れになります。そのため、間取りの希望はハウスメーカーを絞り込みはじめてすぐに営業さんに伝えなければいけません。
間取りに限らず、家づくりの全体像が見えなかったため、希望を伝えそびれてしまったという後悔はよく聞かれます。
希望は早めに伝えることはもちろんですが、「何を決めていくのか、いつまでなら変更が可能なのか」最初に営業さんと確認するのも大切ですね。
A社、B社、C社の3社で悩んでいる時点で土地の契約を先にしてしまいました。ローンを下ろすためにある程度決まった間取りの提出が必要になり、時間をかけられずにA社に決め、間取りなどもしっかり時間をかけて考えることができませんでした。
今でも後悔の残る家になってしまったため、売却してやり直すことはできないかと考えています
土地を先に決めたため、焦ってしまったという事例ですね。
困ったことに、土地を予約しておけるのは約2週間程度。まだハウスメーカーや間取りを考えていない人は約2週間で考えなければいけないことになります。
そうなると体力的にもハードですし、この事例の方のように「もう少し時間をかけて考えたかった」という後悔につながりかねません。
対策:家づくりの基本の流れを把握しておく
家づくりの全体像や基本的な流れを把握しておきましょう。次に何の作業をするのか、どの程度の時間がかかるのか心構えをしておくことで、「もっと時間があればこだわって考えられたのに」と後悔するリスクを減らせます。
あくまでもこちらは一例です。ハウスメーカーによっても、個人によってもペースやどこまで考えるかは異なってきますので、詳しくは営業さんと確認してくださいね。
失敗例2:土地探しを先行してしまい、希望の家を建てられなかった
家を建てるために先に買った土地が狭い上に、建築法が厳しくて北側にしか屋根を流せませんでした。太陽光パネルを載せたかったのですが、それができませんでした。
こちらは実際に土地を最初に買ったことで、希望の間取りや設備にできなかったという方の声。
土地には建ぺい率・容積率・道路斜線といった法規則がありますが、これらを初心者が、しかも間取りの検討前に判断するのはかなり難しいです。
対策:ハウスメーカーの担当さんにチェックしてもらう
こちらの改善策もやはりハウスメーカーを先に絞り、営業さんに土地も含めて考えてもらうことです。土地によって大きく左右され、後から変えることのできない部分の希望は早めに伝えておきましょう。
具体的には以下のような点を考えて土地を探しましょう。
- 家の広さ(何坪ほしいのか)
- 玄関の向き
- 駐車台数
- 庭の広さ
- 太陽光パネルの有無
※東京の都市部などそもそも注文住宅用の土地が少ない場所で建てる方や、立地を一番の優先事項にしている方は土地探しでも問題ありません。
その場合も、建てたい家はざっくりと考えておくと、土地の選定がしやすくなります!
「家づくりの流れ」について後悔しないためのポイントを3行で言うと次の通りです。
- 家づくりは基本的に「予算→ハウスメーカー→土地」の順番で進める
- スケジュール・決める順番・決める内容(どこまで深く考えるか)は営業さんに初回に確認する
- 土地探しの前にハウスメーカーと大まかな間取りを考えておく
まずはスタートダッシュを後悔なく決めたいですよね。
次は「予算」「ハウスメーカー」「土地」の各項目ごとに注意点・後悔事例を確認していきます!
【STEP1】予算を考える
まずは予算についておさらいしましょう。予算は、自己資金と住宅ローンの借入金の合計です。
家づくりで最初に考える項目であり、この予算を慎重に設定しないと、「ローンに圧迫されて家計が苦しい」「子どもに習い事をさせたいけどお金が厳しい」といった、長く続く後悔を生んでしまいます。
後悔事例を見ながら、賢く予算を組むための方法を学んでいきましょう!
失敗例1:比較検討が足りないままローンを契約してしまった
土地と注文住宅の契約をしたのですが、身の丈にあっていない買い物だったと着工前から後悔ばかりしています。よく比較検討せず、契約を決めてしまいました。
現在ローンの審査待ちですが、35年ローンで9割以上融資のため、金利もかなり高いです。家はとっても素敵なのですが、正直支払いは無理なのでは…とずっと後悔しています。
こちらの方の後悔は、ローンの借入額が自分の収入に対して多すぎたのではないかという後悔です。この事例に限らず、「借りすぎてしまった」という声は多く聞かれ、「フラット35」を提供している住宅金融支援機構が公表している「統合報告書2022」によると、2021年の住宅ローン破綻率は3.17%となっています。
より審査の厳しい民間ローンになればもう少し破綻率は低くなると思いますが、それでもローンに悩む人は少なからずいる状態です。
予算を借りすぎてしまう原因は、将来を見越した予算設計が不十分なことや、営業さんの「借りられるので大丈夫ですよ」を鵜呑みにしてしまうこと。
営業さんの「借りられる」は嘘ではなく、実際に銀行では意外に多く借りられてしまうので、契約の後に後悔しやすいんです。
対策1:予算は生活スタイルや貯蓄、家のメンテナンス費用も含めて「世帯年収から逆算して決める」
後悔を防ぐため、丁寧に予算設計を行いましょう。
住宅の予算は建築総額だけでなく、生活スタイルや貯蓄、家のメンテナンス費用も含めて「世帯年収から逆算して決める」方法がオススメです。
たとえば、お酒やグルメにお金を掛けたい、車やゴルフが趣味という方。
子供にクラシックバレエを習わせたいという方や、教育費を貯蓄したい方もいると思います。
このような方は、家づくりよりも日々の暮らしにお金をかけた方が、人生が豊かになるはずです。
ただし、夫婦ともにお金のかかる趣味がない場合や、長く住み継がれるステキな家にしたい場合は、高めの予算を設定してもOKです。世帯年収から逆算した返済金額のめやすは、次の表を参考にしてみてくださいね
対策2:低金利のローンを選ぶ
返済金額を抑えるには、なるべく低金利のローンを選ぶのがオススメです。
金利はご自身の勤務先や勤続年数、年収などによって判断されますが、金利を抑えるためにオススメの方法が2つあります。
- 他の銀行にも仮審査をかける
- ネットバンクにも審査をかけてみる
一つ目は、他の銀行にも仮審査をかけることです。
例えば、県内でシェア数の多いA銀行の審査結果が金利0.8だった場合、Aよりシェア数の少ないB銀行では、契約者を増やすため「0.7にします!」と言ってくれることもあります。
ハウスメーカーの営業さんに相談してみましょう。
二つ目は、ネットバンクにも審査をかけてみることです。
住宅ローンを借りる場所としては、ネットバンク、メガバンク、地方銀行、フラット35があります。ネットバンクは最も審査が厳しいですが、金利が格段に安い場合もあるため、挑戦してみるとグッと返済を減らせるかもしれません。
注意点は、「必ず一銀行ずつ審査にかける」ことです。
万が一審査に落ちてしまった場合、複数の銀行に一度に審査にかけていると、落ちてしまった情報がシェアされて借りられる場所がなくなってしまいます。
必ず結果が出てから、他の銀行の審査を進めるようにしましょう。
失敗例2:ローンの審査に落ち、家づくりが中断してしまった
ローンの後悔事例についてエースさんにお伺いしたところ、昔のお客様の事例を紹介してくださりました。
ローンの借り入れのため、家づくりがある程度進んでから信用情報を調べました。
その結果、昔引っ越した時に転送届が上手くいっておらず、催促のハガキが届かなかったため、支払いが遅れてしまったことが傷になっているとわかりました。
家づくりには前向きに取り組んでいたので、すべてダメになってしまったのがショックで仕方がありませんでした。
こちらの方は、個人信用情報の傷が原因でローンが借りられず、家づくりができなくなってしまったという事例です。この「個人信用情報の傷」によるローンの審査落ちが最近増えているんです。
対策:【5年も建築不可に…】個人信用情報を事前にネットでチェック
審査に落ちてしまう原因は「転職したばかり」「年収が低い」などがありますが、最近増えているのが「個人信用情報への傷」です。
これは、クレジットカードの引き落としやその他の返済が滞ることによってついてしまう傷なのですが、「自分はちゃんと払ってるから大丈夫!」そう思った方は危険です。
たくさんクレジットカードを持っていたり、引き落としを設定していたりすると、自分の気づかないうちに延滞や遅延を起こしていて、傷になっているケースもあるのです。
延滞は支払いをしてから5年は傷が消えないため、その間はローンを借りにくくなってしまいます。
ネットで「CIC」「JICC」と検索すると、1000円で自分の個人情報を取れるため、不安な人は調べてみるといいでしょう。
【STEP2】ハウスメーカー・建てたい家を考える
予算を決めたら、次はいよいよハウスメーカー選びです。
まずは正しいハウスメーカーの選び方をざっとおさらいしてみましょう。
ハウスメーカーは得意なことも価格帯もそれぞれですが、それを判断するのは家づくり初心者には難しいですよね。
しかし、下記の6つの項目に分けて考えることで、自分の希望を整理したり、ハウスメーカー同士を比較しやすくなります。6つの項目がこちらです。
こちらを利用しながら、以下のようにメーカーを選んでいきます。
- 自分の希望を洗い出す
- それぞれのハウスメーカーと比べてみる(徹底解説動画を参考に!)
- 悩む場合はオンライン講座も利用してみる
次の画像を参考に希望を記入してみましょう。
この希望を考える際、もしくはハウスメーカーを決めて打ち合わせをしていく際に参考にしてほしい後悔事例を項目ごとに紹介していきます。
1.間取り
おうちキャンバスで行ったアンケートでも、特に多かったのが間取りに関する後悔です。
失敗例1:リビングの視線が気になり憂鬱な気持ちに
今までマンションに住んでいたので、一階の景色が想像できていませんでした。
建築士さんに「リビングの前は駐車場でいいか」と聞かれたのですが、いまいち想像できず「問題ない」と答えてしまいました。しかし引っ越してみると、窓から見えるのは駐車場と道路とお向かいの家だけ。視線もすごく気になりますし、空も見えないので憂鬱な気持ちになります。
マンションで暮らしていた方ならなおさら、日当たりや視線などはイメージしにくいですよね。
対策:リビングから何が見えるか・カーテンが開けられるかを優先的に確認
リビングは家の中で家族が最も長い時間を過ごす場所。
カーテンを開けられるか、窓から何が見えるかは、家の満足度を大きく左右します。
窓を開けた時、次のようなものがすぐ見える間取りは避けたいもの。
- 駐車場
- 家の前の道路
- 隣の家の外壁
- ゴミ捨て場
- 隣の家のリビング
理想は「庭」が見えるリビングですよね。
難しい場合は、以下のような対策をとると、視線のストレスを軽減できます。
- 窓の位置や高さに注意する
- フェンスで目隠しを作る
- 庭に植物を植える(落葉樹だと冬に葉っぱがなくなってしまうため目隠し用と伝えておく)
- 家の向きを隣の家とずらす
- 2階リビングにする
2階リビングにすると日当たりを確保しつつ、道路を歩く人や隣の家のリビングからの視線を感じずに過ごすことができます。
日当たりと視線は居心地の良さを大きく左右しますので、優先的に考えてみてください。
失敗例2:家事動線が使いにくくストレス
サンルームを2階にしたのが一番の後悔です!毎日洗濯物を持って階段を上り下りするのが大変で、1階に作りたかったと思っています。家事動線は本当に大切です!
毎日行う家事だからこそ、新しい家では負担を減らしたいですよね。
対策:家事動線、特に洗濯動線にこだわる
間取りで特に後悔する方が多いのが家事動線。中でも洗濯動線は「洗う→干す→畳む→しまう」と工程が多いため、考えるのが難しい場所です。
理想はすべての工程を1箇所で終わらせることですが、難しい場合は「いかに場所を近づけるか、動線を短くするか」を考えましょう。
- 「洗う」→「干す」を短縮:2階に洗濯動線をまとめる、洗濯機の近くに室内干しする
- 「畳む」→「しまう」を短縮:洗面所に収納を作る、近くにファミリークローゼットをつける
このとき「ベランダの有無」も含めて考えましょう。
最近ベランダを作らずに、浴室乾燥や衣類乾燥機で済ませたり、サンルームを作ったりする人も増えています。
「ベランダはあるべき」といった固定観念にとらわれずに、必要性を考えてみると、予算を削減できるかもしれません。
失敗例3:収納が足りなかった/ほしい場所になかった
収納が少なかったです。ベビーカーや外で使うおもちゃ、アウターなどを置く場所を考えておらず、玄関に収納を作ればよかったです。買いだめした日用品のストックを収納できるパントリーも、暮らす中であればよかったと思いました。
「収納が足りなかった」という声も家づくりの先輩たちからよく聞かれます。
対策:収納で失敗しがちなポイントをチェック
収納で大切なのは「欲しい場所」に「欲しい収納量」があることです。
以下の収納場所は特に注意が必要なので確認しておきましょう!
ウォークインクローゼット
「ウォークインクローゼットに憧れる!」という方も多いと思いますが、実はウォークインにするより横並びにする方が収納量は多くなるんです。
ウォークインするための通路部分も収納に回せるので、収納量を確保したい人は通常タイプの収納がオススメです。
シューズクローク
玄関のシューズクロークは扉がないと靴の匂いが気になるかもしれません。
名前に騙されずにベビーカー、レインコート、傘立てなどを置く場所と考えるのもオススメです。
パントリー
パントリーは「つければよかった!」という声が多い収納です。家族が多い、食品やキッチンの消耗品をストックしておきたいという方は設置を検討してもよいと思います!
パントリーで重要なのは「設置場所」です。買ったものをすぐ置けるように玄関とキッチン両方からアプローチできるようにしたり、キッチンとの距離が離れない場所にしたり、使用シーンを考えながら間取りをチェックしましょう。
リビング
リビングでは「爪切りや体温計はどこに置くか?」を考えましょう。
せっかくオシャレなリビングにしても爪切りのような生活感のあるものが見えると、少し残念かもしれません。
もちろん後から棚を追加してもよいのですが、部屋の雰囲気に合わせるために最初から雑貨の収納スペースを確保しておくのがオススメです。
キッチン
キッチンでは「高い吊り戸棚が使いにくい…」というお悩みも。吊り戸棚は奥行きもあり、物もたくさんしまいやすいのですが取り出しづらいのがネックですよね。
対処法としては以下のようなものがあります。
- 昇降式の吊り戸棚を選ぶ
- 取手のついた収納ボックスにまとめ、取りやすくする
どちらの場合も重いものや割れやすいものは危険なので、スポンジや紙コップなどのストック用に使用するのがオススメです。
+α 必要に応じてコンセントや照明を
収納内にコンセントがあると充電ドックにできるので便利です。
Wi-Fiルーターをおいたり、コードレス掃除機を充電したりといった使い方があります。
また、奥行きのある収納や階段下の収納は電気がないと「暗くて物が取り出しづらい」といった声も。
失敗例4:コンセントが足りなかった/もう少しずらせばよかった
家を作るときにもっといたるところにコンセントをつけておけばよかったと後悔しています。ゲーミングモニター、脱衣所のヒーターなど「ここに置きたいけどコンセントがない!」ということが多々あります。
コンセントの位置や数も家づくりでは後悔が多い項目です。
毎日使用するものにも関わらず、打ち合わせの終盤の方に決めるので、「設計士さんに提案してもらったままでいいか」と集中力が切れてしまいやすい部分でもあります。
対策:コンセントは位置や数を具体的にイメージする
コンセントを決める段階になると、間取りや置きたい家具も定まってきていると思います。それらの置き場所・使い場所を想像しながらコンセントの位置を考えましょう。
今回は、特に忘れてしまいがち・かつ設置すると役に立つ場所をご紹介します。図面を見ながらチェックする際の参考にしてみてください!
玄関 |
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キッチン |
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ダイニング |
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リビング |
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洗面所 |
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寝室 |
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屋外 |
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コンセントは後から増やすこともできますが、工事が必要になり面倒です。
悩んだ時は多めにつけておく、といった心持ちでコンセントは考えましょう。
2.デザイン
次はデザインについてです。内装や外装全体について、後悔が多いポイントをピックアップしました。
失敗例1:好みのデザインがオプションで予算オーバーしてしまった
タイルの外壁にしたのですが、あまり採用数が多くないメーカーだったため、オプションとなり思った以上にコストがかかってしまいました。
標準仕様や採用数についても調べておけばよかったです。
タイルや瓦などはメーカーの採用数によって費用が変わりやすいです。
絶対に使用したい設備や外装がある場合は、メーカー決定の段階で相談できると安心ですね。
対策:絶対に欲しいデザイン・設備は事前に標準をチェック
「思ったよりもこのメーカーだと高い…!」「これは採用できないのか…」と後からショックを受けやすいのが次の3つ。
- タイル外壁
- 瓦屋根
- キッチン(どのメーカーが標準か)
失敗例2:外壁がイメージと違った
タイル外壁にしました。展示場で見本を見せてもらい選んだのですが、建った後の感想は「色選びに失敗した」と後悔が残るものになってしまいました。見本の小さなタイルでしか確認していなかったのが原因かなと思います。
こちらの方の後悔は外壁の色がイメージしづらく、後悔が残ってしまったというものです。小さなタイルだけでは、実際に日が当たった時の見え方や、家全体に貼った時の印象などわかりづらいですよね。
対策:イメージ通りの外壁にする方法5つを確認する
イメージ通りの外壁にするためには、「なるべく実際のものを見ること」が重要です。
外壁は色や素材・凹凸などが平面ではわかりにくく、また見る場所によって印象が異なります。以下のポイントを意識して、外壁をチェックしてみましょう。
- 住宅展示場やモデルハウスで使われているものを選ぶ
- SNSで同じ外壁材の人を検索してみる
- なるべく大きなサンプルで見る
- 太陽の下で見てみる
- 明るい色はより明るく、暗い色はより暗く見えることを知っておく
対策:どうしてもイメージと違ってしまった時は外構で工夫を
実際に建てた後で「イメージと違う…」となっても、大半の場合では塗り直し・貼り直しを行うことはありません。お金も時間もかなりかかりますし、ハウスメーカー側としてもなるべく避けたいと考えるはずです。
暮らしているうちに慣れてくることも多いですが、やっぱり納得いかなかったり、こっちの色にしておけば…なんて気持ちも残ってしまいますよね。
そんな時は「外構」を工夫してみましょう。いいですか?
「外壁はあくまでもすっぴん。外構はお化粧」です!
色の違う植栽をいくつか植えたり、植栽の影が外壁に映るような照明にしたりと、外構に力を入れて素敵な外観にしてみましょう!
失敗例3:インテリアのイメージがなかなか伝わらない
朝から一日中インテリアの打ち合わせでした。
特別気に入るものもなかったせいか、優柔不断すぎてなかなか決まらず…。なんとなくこうしたいというイメージもあったのですが、なかなか言葉にできず難しかったです
これまで担当していた方とは違うインテリアコーディネーターさんが担当してくれることもあり、初めましてで意見をしっかり伝えるのは難しいですよね。
向こうとしても初対面で「それはあんまり良くないですね!」などは言いづらいので、コミュニケーションがうまく取れないまま決まっても「これで良かったのかな…」と心配になってしまいます。
対策:好みのデザイン・イヤなデザインを画像で伝える
デザインを言葉で伝えるのは難しいですよね。「北欧風で〜」「シンプルな感じで〜」といっても、人によって受け取り方は様々です。
そんな時はSNSで好みのデザインを収集しましょう。
RoomClipやInstagram、Pinterestなどで検索すると、実際のお家の写真が見られるため、雰囲気が伝わりやすくなります。
また、「これは近いけど何か違うんだよな」という画像も合わせて見せることで、インテリアデザイナーさんが「ここの色がおかしいからですかね?」など違和感を分析してくれます。
そうすると、「建主さんはこのデザインの方が好みなんですね!」と方向性が合いやすくなるのでオススメです!
失敗例4:外構を考える頃には疲れ切ってしまっていた
外構でとても後悔してます。220万もかけてこの感じ…。家の間取りを考えるので燃え尽きて適当になってしまったなあと思います。
外構を考えるのは、家づくりの打ち合わせでもだいぶ終盤の方です。体力も予算も尽きかけているため、どうしても気が抜けてしまいがちになりますよね。
しかし外構も毎日帰宅して一番に目が着く場所。最後の一踏ん張りが重要になります。
対策:外構も間取りと一緒にある程度考えておく
対策として外構もある程度先に考えておくのがオススメです。
「外構は後で考えましょう」と言われることも多いですが、最低限の駐車場や庭の配置は間取りと一緒に考える必要があります。
また、最後に回すことで体力的にも予算的にも厳しくなり、適当になってしまいがちです。
以下のような点は後悔が多いため、最終まで怠らないようにしましょう。
- 駐車スペースは十分にあるか
- 塀やフェンスは気になる視線を遮れる高さか
- オープン外構は周囲の子どもが入ってしまう心配はないか
- 雑草対策はしているか
- 植栽は外観の雰囲気にあっているか
住んでからでも手を加えられる場所ではありますが、「入居後の外構で200万円超え。ローンに一緒に含めればよかった」という声もありますので、建物と一緒に整えてしまうのをオススメします。
3.性能
次は性能です!性能は以下のような項目があります。
- 断熱材(種類・厚み)
- 窓の種類
- 換気システム
- 気密性能
- 防音性能
- 空気の質
- IoT
後悔事例をいくつかご紹介します!
失敗例1【音】二階の足音が響くのが気になる
二階建てですが、一階の扉を閉めた時の音が二階に響くのが残念でした。
また、二階の子ども部屋の足音も下まで聞こえ、ドタドタ歩く音が気になります。
音問題もせっかく注文住宅を建てるなら解消したいですよね。
足音や扉を閉める音の他に、部屋同士のテレビの音や話し声、家の周りで遊ぶ子どもの声なども、気になる方が多い部分です。
対策:3つの遮音性を強める断熱材や窓を使用しているメーカーを選ぶ
音が気になる方は遮音性の高いメーカーを選びましょう!
遮音性には大きく分けて以下の3つがあります。
- 外の音が家の中に聞こえないか
- 2階の足音が1階に伝わらないか
- 部屋同士の音が聞こえないか
「音のストレスなく過ごしたい!」という方はこの3つの遮音性の高いメーカーを選ぶのがおすすめです。おすすめのハウスメーカーがこちら。
メーカー名 | 遮音性能(外壁) | 一言ポイント |
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大和ハウス | 50db | 2重の防音構造でトップクラスの遮音性。音の響きにもこだわった防音室も得意。 |
三井ホーム | 45db | ロックウールが吸音。足音対策にもこだわりが。 |
ヘーベルハウス | 40db | オリジナルのヘーベル板優秀。床の足音対策も強く、筋トレをする人にもオススメ。 |
パナソニックホームズ | HS構法:50db F構法:40db |
HS構法が特に優秀で、音への配慮は業界トップレベル。 |
セキスイハイム | 40db | 音にかなり配慮し3つの遮音性に加え、トイレの排水音も石膏ボードで軽減。 |
ミサワホーム | 35db | 7層構造の間仕切り壁で部屋同士の防音も強い。 |
昔はみなさんリビングでテレビを見ることが多かったですが、今は各自部屋にこもってYouTubeやライブ配信、ゲームなどを楽しむことが多いですよね。
そのため、各部屋の壁の間には遮音間仕切りを採用するのがオススメです。
金額的にも数千円〜数万円でできる場合が多いので、営業さんに確認してみてくださいね!
失敗例2:【気密・断熱】冷暖房の効率が悪く、光熱費が高い
窓を節約してアルミ樹脂複合サッシにしたらやっぱり窓付近が寒いです。
樹脂サッシにしてたらもっと気密性が上がって光熱費も安くなってたかも…と後悔してます。友達には絶対に樹脂をオススメしたいです。
暖かい季節に家を考えていると、断熱性や気密性は「そこまで気にしなくてもいいか」となってしまいがちです。しかし、気密性・断熱性は部屋の温度や遮音性、光熱費など住んでからの性能を大きく左右します。
対策1:断熱材の種類と厚みにこだわる
断熱材は「どの素材をどのくらいの厚さで使っているか」で考えます。
高性能の素材も薄ければ寒いですし、そこまで性能が高くなくてもたくさん入れれば暖かいという考え方です。
断熱材は「繊維系」もしくは「発泡系」が多くの住宅で使われており、各メーカーで構法に合わせて採用しています。これらを「どのくらい熱を通すか」を示す熱伝導率で性能を比較してみます。
熱伝導率は数値が低いほど断熱性能が高くなります。
繊維系では「高性能グラスウール24K」、発泡系では「フェノールホーム」の性能が高いと言われています。
そして、業界全体で見て「普通」レベルの基準となる断熱材がこちらです。
壁:高性能グラスウール16K 105mm
床:押出法ポリスチレンフォーム 60mm
こちらを参考に、「何を何cm使ってますか?」と営業さんに確認してみてくださいね。
ちなみに理想的な断熱材の種類・厚みはこちらです!
壁:高性能ウレタンフォーム 190mm
床:高性能ウレタンフォーム 140mm
対策2:窓の「フレーム・ガラスの枚数・ガラスの間」にこだわる
気密性・断熱性能を上げるには窓もかなり大切です。
窓を考えるときは3つのポイントがあり、それが「フレーム・ガラスの枚数・ガラスの間」です。
-
フレーム:窓のサッシ。アルミよりも樹脂・木の方が性能が高い。
-
ガラスの枚数:1〜5枚あり、多いほど断熱性能が高い。
-
ガラスの間:ガラスの間に何が入っているか。最も性能がいいのは真空だが、アルゴンガスが一般的。
これらをもとに、金額・性能面で見ておすすめの組み合わせが以下の通りです。
ガラスの枚数:3枚ガラス
ガラスの間:アルゴンガス
また、家を「箱」と考えると窓は「穴」になるので、極論窓は一つもない方が気密性は上がります。
もちろんそんな訳にはいきませんが、あまり大きな窓を作ったり、数を多くしたりすると、気密性・断熱性が落ちやすいということも覚えておきましょう。
失敗例3:【全館空調】全館空調が欲しかった
毎年寒くなると全館空調にすればよかったと後悔しています。
エアコンを6台設置していることを考えると、そのお金で全館空調を買えたのでは…と思います。初期費用は高いかもしれませんが、そのほうがコスパが良かったかもしれません。
寒くなってきた時やエアコンを買い足した時、リモートワークで家にいる時間が増えた時などに全館空調を採用すればよかったと後悔する方が多いです。
対策:メリット・デメリットを踏まえて採用を決める
全館空調が欲しかった!という声も多いですが、中には「全館空調はいらなかったかも」と後悔しているお家もあります。そのため、採用の際には以下のメリット・デメリットを踏まえて、自分の暮らしに合っているか考えてみましょう。
全館空調のメリット
- 家の中の温度を均一に保てる
- エアコンなどの冷暖房が露出しないためインテリアがスッキリする
- 空気を綺麗にできる
全館空調のデメリット
- 乾燥しやすい
- 故障時に全室の冷暖房機能が止まってしまう
- 匂いが広がってしまう
- 各部屋ごとの温度調節ができない
これらのメリット・デメリットを踏まえつつ、判断の際にオススメなのがその家の気密性・断熱性能と、1日のうちどれくらい家にいるのかを考えることです。
気密性・断熱性が低い家では冷暖房の効率が悪くなり、電気代が高くなってしまうためオススメできません。
また、仕事で一日中外にいるような場合は、常時運転している全館空調よりエアコンの方が効率的と言えるでしょう。
4.災害
災害対策に関する後悔の声、失敗したという声は実はあまり寄せられていません。
というのも、家は人生で一番高い買い物であり、守りたい大切な家族と過ごす場所でもあるため、地震や洪水からの安全を最初から重視する方が多いんです。
そこでこの「災害」ブロックでは、後悔事例の紹介は省き、後悔しない災害対策のポイントをお伝えしたいと思います!
対策1:木造の場合は『耐震等級3』を取得する(計算方法も確認を!)
耐震等級は1〜3まであり、耐震等級3は、「大きな地震が複数回きても、家の中の人が守られ、その後も家に住み続けられる」レベルです。地震が多い日本ではこのレベルを目指したいですよね。
しかし、耐震等級で安全性を判断するためには「計算方式」にも注目です。
計算方式は「許容応力度計算」「性能表示」「仕様規定」の3つがあり、許容応力度計算が最も詳しく、次いで性能表示、仕様規定となります。
仕様規定は簡易計算となりますので、仕様規定で「耐震等級3相当」と言われた際は注意が必要です。(許容応力度計算、性能表示を行なっていると安心です!)
ただし鉄骨の場合は、鉄骨であるだけで木造軸組工法の1.5倍強いです。そのため、鉄骨住宅では「耐震等級1」でも木造の「耐震等級3」に相当することになります。
対策2:土地選びの段階で洪水・津波の心配がない場所を選ぶ
洪水・津波・大雨などの対策は、家を建ててからでは難しい部分もあります。
そのため、ハザードマップ等で危険性がないか、土地探しの段階で確認しましょう。
おすすめのサイトが、国土交通省が提供している「浸水ナビ」です。
自分の買おうとしている地域を選ぶと危険度がわかりますので、調べてみてください。
対策3:追加オプションも必要に応じて検討する
停電時に使える蓄電池や飲み水の貯水タンクなども必要に応じて検討しましょう。
実際の震災時には、配給や行政の支援もあるため、電気や水道が使えないと生きられないという状況にはなりにくいかもしれません。
しかし、行政の支援がすぐには受けられない地域にお住まいの方や、重い水を運びたくない、電気が使えないのは不安という方は、採用するのがオススメです。
停電時もコンセントを複数使用できる大和ハウスや一条工務店、車と家を繋いで電気を使えるトヨタホーム・セキスイハイムなど、各社で扱う防災設備は異なりますのでチェックしてみましょう。
5.メンテナンス
最後はメンテナンスについてです。メンテナンスは外壁・屋根・シロアリ対策・換気フィルター・保証の充実度などを見ていきます。
失敗例1:初期費用とメンテナンスコストを考えると何を採用するか悩む
壁や屋根など、なるべく将来のメンテナンスコストがかからないようにしたいと思います。
しかしまだ十何年先も話なのでいまいちメリットが実感できず、初期費用が安い標準仕様のものにするか、オプションで瓦屋根にするか悩んでいます。
こちらは「後悔した」という声ではなく、家づくり中に多いお悩みをご紹介しました。
メンテナンスがいいものにしたいと思っても、何を選んだらいいかわからない、そもそも本当に効果的なのか気になる…といった方は多いですよね。
対策:メンテナンス性を高めるには、屋根は瓦、外壁はタイルがオススメ
家のメンテナンスは建ててから10〜15年で発生することが多く、その際は自己資金で払うことになるため、建てる段階で後からお金がかかりにくいものを選ぶのが大切です。
屋根、壁の素材でメンテナンス性がいいものを並べると以下のようになります。
ここで気をつけてほしいのが「塗り直しのタイミング」です。
「壁はガルバリウム鋼板にしたから、屋根はせめて一番いい瓦にしよう!」などとすると、塗り直しのタイミングが異なってしまいます。タイミングが異なると2度足場を組む必要があり、足場代で毎回20〜30万円かかってしまいます。
いい屋根材・壁材を使用するのも大切ですが、「塗り直しのタイミングを揃える」ことも、メンテナンス費用削減のために意識してみてくださいね。
失敗例2:ハウスメーカーの保証の仕組みがよくわかっていなかった
後悔というほどではないのですが、「60年保証」という言葉を勘違いしていました。60年は何かあれば対応してくれる、というような認識だったのですが、10年ごとに有償点検が必要なこと、その費用が割高であることを後から知り、もっと調べておけばよかったなと思いました。
パッと見では保証の仕組みはわかりにくいかもしれません。保証期間の長さはもちろんですが、内容や延長のための条件なども確認したいところです。
対策:初期保証と最大保証期間・有償点検の頻度を確認する
保証には初期保証と、点検を受けることで延長できる最大保証期間があります。保証には構造・防水・シロアリなどがあり、それぞれで保証期間が異なる場合も多いです。
確認すべきは「初期保証の期間・最大保証期間・有償メンテナンス」の3点です。同じメーカーでも選ぶ屋根材や構造によって保証期間が異なる場合がありますので注意しましょう!
後悔事例をもとに希望を洗い出そう
ここまで項目ごとに後悔事例とその対策を紹介してきました。
以上の内容をもとに「耐震等級3は絶対取りたい!」「パントリーはつけようかな」など、希望を考えてみてくださいね。
希望を洗い出しておくと、ハウスメーカー選びやその後の打ち合わせがスムーズに進みやすくなります!
【STEP3】土地探し
最後は土地探しについてです。実は土地は「家づくりの7割を決める」と言われるほど重要な要素。住んでから変えられない部分も多いため、より慎重に考える必要があるんです。
失敗例1:実際に住んでみると利便性や将来性がなく後悔した
田舎の方に引っ越してのんびりできることには満足していますが、買い物するときは不便です。また周辺は田んぼ、小学生以下の子どもは半径1キロ以内にほんの数人と、子どもにも申し訳ないことをしたかなと考えています。
周りの交通面や子どもの数なども配慮して選べば良かったです。
こちらの方の土地や環境が悪いという訳ではなく、「子どもに友達ができる環境で子育てしたい」「ストレスなく買い物ができる環境がほしい」という自分でも言語化できていなかった希望を叶えられなかったのが、この事例だと思います。
希望の洗い出し、言語化はなかなか難しいですよね。
対策:暮らしをイメージしながら希望の条件を洗い出し、優先順位をつける
そこで、条件を確認するためのチェックリストをご用意しました!
以下の画像の項目について、夫婦で希望を洗い出してみましょう。
(印刷して書き込んでみてください!)
記入ができたらこれらの優先順位をつけます。「絶対に譲れないこと」から「できれば叶えたいもの」「こだわらないもの」まで、夫婦で価値観をすり合わせましょう。
項目について詳しくはこちらの記事をご覧ください!
失敗例2:地中埋設物で工事ができなくなった
注文住宅を建てるために購入した土地を掘り起こしたところ、遺跡が発掘されました。最初は「え!」と少し嬉しく思ったのですが、調査のために家づくりが延期になってしまいました。予想外の事態に非常に困ってしまいました。
「遺跡が見つかった!?儲けられるんじゃ…!」と思った方。実はそうではないんです!
遺跡が見つかると届出が必要になり、そのまま調査が行われます。
調査には何ヶ月もかかる場合があり、家づくりのスケジュールを大きく遅らせることにもなってしまうんです。
対策:予想外の出費・トラブルを防ぐために土地をよく確認する
注意が必要なのは遺跡だけではありません。
土地の購入時に予想外にお金がかかってしまう項目として、特に以下の3つに注意が必要です。
地盤:地盤改良工事
土地が柔らかい場合「地盤改良工事」といって家が沈まないように補強が必要です。土地購入前の調査はできないため、なるべく改良の必要がない土地を探しましょう。
以下のような方法が有効です。
- 「沼」や「池」などの水分の多い地名を避ける
- ハウスメーカーや土地屋さんに近い場所の地盤調査結果がないか聞いてみる
- ハザードマップで海や川が近くないか調査する
地中埋設物:水道管はあるか?ゴミは誰が処分するか?
土の中に埋まっているものも契約書を確認しましょう。水道管が引き込まれていない場合、引き込みに300万円かかったケースもあります。
また、コンクリートブロックや空き瓶などゴミが見つかった場合の処分費用も誰が負担するのか確認しておきましょう。
土留(どどめ):古くなっていないか?
宅地(今から家が立つ予定の土地)と隣の土地に高低差がある場合、土が溢れていかないように抑えるのが土留です。これが古くなっていて危険だと判断されるとやり直しが必要になります。
「あの土留は大丈夫か設計士さんに確認してください」とメーカーの営業の方にお願いすると安心です。
失敗例3:土地の相場を調べずに購入したが、相場より20万円も高かった。
希望のエリアはなかなか土地情報が出なかったこと、不動産屋さんやハウスメーカーに少し急かされていたこともあり、土地を急いで契約しました。
しかし今になって土地の相場を調べてみると、坪単価が相場より20万円も高い土地だと気がつきました。もう過ぎたことですが、日当たりも良くなく、たいして大きな土地でもなかったためがっかりしてしまいます。
こちらの後悔ポイントは、急かされるままに決めてしまったことと、事前に土地の相場を調べられなかったことです。
「欲しかった土地が売れてしまった」という後悔も多いため、早めに購入を決めたのは良い点かもしれませんが、もっと安い場所があったかも…と思うと悔しいですよね。
対策:土地の相場・価格を抑えるポイントを知っておく
まずは土地の相場を調べておきましょう。「〇〇市_土地相場」で検索すると大まかな相場はわかるため、土地価格を比べる際の基準となるでしょう。
また、相場が気になる方は「なるべく土地の価格は抑えたい」とお考えの人もいると思います。そんな方はあえて次のような土地を探すのもオススメです。
- 駅から離れた場所にする
- 不整形地にも目を向ける(追加費用には注意)
- 方角を変えてみる(南向きにこだわらず、探してみる)
すでに住みたいエリアが決まっている人は、昔からある地元の土地屋さんに行ってみるのもよいでしょう。土地の相場が上がっても、昔の相場で販売しているためお得に買えるという場合もあります。
その他
最後にその他として、土地探しやハウスメーカー検討中に起きやすい後悔事例をご紹介します。家づくりは建物そのものはもちろん、過程も重要です。
「あの時ああ言ったのに…」と後までモヤモヤが続いてしまうことも多いので、できる限りの対策をしましょう。
失敗例1:営業さんと「言った言わない問題」になってしまった
人対人なので、どうしても言った言わない問題がありました。もめてはいませんが、伝えた要望が反映されていないことが何度かありました。もちろん再度伝えればきちんと対応していただけたのですが、お互いに見落としているところがないか不安になりました。
対策:打ち合わせは必ずメモをとっておく
打ち合わせで決まったことはその都度メモをとっておきましょう。
打ち合わせは4時間、5時間とかかることもあり、そこで言った一言一句を覚えているのは不可能です。「メモをとるのは営業さんの仕事」と思わず、自分でも残しているようにしましょう。
また「言った言わない」ではありませんが、ミスがあった際の原因を明らかにできるように、施行中の動画を撮っておくのもオススメです。
(粗探しに見えると大工さんとの関係が悪くなることもあるので、撮る際の雰囲気・声かけには注意が必要です!)
失敗例2:夫婦の意見のすれ違い
土地探しに疲れてしまいました。広い敷地を求めて郊外でもいいという夫と、駅チカで学習環境を優先する私…。
妥協点を探るとまったくときめかない土地になってしまい、ここに高いローンを払い続けるのか…となってしまいます。
夫とも心なしかギスギスしてしまい、土地探しが憂鬱です。
家づくりは夫婦ですれ違ってしまうポイントがたくさんあります。土地探し、間取り、インテリア…各々大事にしていることや価値観が違うので、揉めてしまうこともありますよね。
対策:揉めやすい「土地、予算、間取り」は特に入念にすり合わせを行う
夫婦で揉めやすいのが「土地、予算、間取り」の3点です。
詳しくはこちらの記事(家の購入で意見が合わない!解決方法をプロに聞いてみた【夫婦円満で家づくり】)で解決方法をご紹介しているのですが、意見が合わないときは次の方法を意識してみてください。
- 「土地探し」がうまくいかない時はハウスメーカーに相談して、候補地を増やそう
- 「予算」の問題で意見が分かれたら、ローンの返済計画を具体的に試算しよう
- 「間取り」で喧嘩になったら、お互いの担当エリアを分けよう
なんとなく意見が合わない、相手との温度差や価値観の違いを感じるというときは、具体的に将来のプランを立てたり、大事にしていることを話し合ったりする時間が必要です。
どうしても夫婦で話し合ってもまとまらないという場合には、プロの第三者に整理してもらうのも手です。当サイトでも、家づくりの専門家に相談できるオンライン講座を実施しています。
【注意】あくまでも後悔事例は参考に
ここまで後悔事例を紹介してきましたが、「これらをすべてクリアしないと理想の家は建てられない」というわけではありません。
考えて欲しいのは、「理想のくらしのために何が必要か?」という点です。
暖かくて住みやすいことが大事とアドバイスされ、見た目は二の次に、冷暖房を重視した間取りや手入れを重視したキッチン・床材にしました。とにかく日常生活におけるメリットを優先していったところ、当初イメージしていた家とはまったく違った家になりました。
すべて納得して着工したつもりでしたがなんだか今になって気持ちがスッキリしません。
多少不便なところがあっても一生に一度の大きな買い物、もっと自分のこだわりを優先してもよかったのかなと後悔しています。
周囲のアドバイスに素直に従った結果、せっかくの注文住宅なのに自分のこだわりが入れられなかったという後悔もあります。
家づくりに絶対的な正解はありません。他人の意見で決めた選択は後悔につながります。
自分の優先順位と譲れない条件を考えて、取り入れられそうな事例は取り入れてみてくださいね。
もし「失敗してしまった…」と思ったら
これだけ入念にネットで調べたり、経験者の話を聞いたりしても、お互いに伝達ミスや確認漏れがあったり、世の中の状況を受けて工期が遅れてしまったりといったトラブルは発生します。
また、選んだ時は最適解だと思っていても、時間をおいてみてみると「もっとこうすればよかった…」ともっといい答えが見つかることもあるでしょう。
しかし、家は手を加えていくことができます。
マイホーム🏠完成後もブルーがまだまだ少し続く私ですが
— みーれ@新築マイホームなう (@Mire5843687) July 15, 2022
なんと‥外構が今から始まりました‼️(入居半年経ってますw私みたいになるな‼️www)
外構って‥神‼️
心が浄化されていくぅう‥😭
家で失敗した部分があっても外構でなんとかなることもあるし、何より流れ出る幸せの輝き‼️
外構は神‼️
こちらの方のように、「見た目で失敗したかも…」と思っても外構でうまくカバーできたりと、家は工夫次第でまだまだ素敵に、さらに住みやすくできます。
カーテンや家具にこだわる・DIYやプチリフォームで使いやすくするなどなど!また将来的に壁紙を張り替えたり、床材を張り替えることも出来ますからね!
悲観的になるより、掃除などを頑張り、家を愛してあげてください!
このまま進めて大丈夫かな?迷った時はプロに相談
「たくさん調べたけど、このまま進めていいんだろうか…」
そんな時は第三者に相談してみるのもオススメです。
希望が整理されたり、「その暮らしを叶えるならこれも必要ですよね」と足りなかった部分に気づいてもらえたりすることもあります。
当サイトでも家づくりの専門家に相談できるオンライン講座を実施しています。
オンライン講座といっても、大学の授業のような堅苦しいものではなく、ハウスメーカー選びを中心に予算、土地、こだわりの優先度まで、オンラインから気軽に相談してもらっていただける講座です。
受講は無料、スマホからも相談可能ですので、下のページから詳細を確認してみてくださいね。
まとめ
ここまで読んでくださりありがとうございました!
注文住宅の後悔を防ぐには「どれだけイメージできるか」が勝負のカギを握ります。
家づくりの進め方やスケジュールから、実際の新居での生活、災害時や20年後のメンテナンスのことまで想像力を働かせなくてはなりません。
毎日の仕事や家事を行いながら家づくりを進めていくのは、体力的にも精神的にも非常にハードです。しかし、こだわって時間をかけて完成した我が家に住む幸せは格別なもの。
もし悩んでしまったときは、家づくりのプロに相談したり、動画で情報収集したりしながら、家づくりを進めてみてくださいね。
それでは、また別の記事でお会いしましょう。
あなたが理想の暮らしを叶えられるよう、心からお祈りしております!
担当者コメント
家は人生で最も高い買い物であるのにも関わらず、
家づくり相談の詳細はこちら「何となく人気だから」「営業さんの雰囲気が良かったから」
そんな理由で家を購入し、後悔の残る生活を送ってしまう人も多いです。
私はそんな悲しい現実を少しでも良くするために、正しい家づくりの情報発信を行ってきました。
家づくりの後悔は「イメージ不足」が原因です。これまでの生活を思い出して、「自分は寒がりだから暖かい家にしたい」
「窮屈な思いをさせてきたから、子どもとのびのび遊べる庭が欲しい」など叶えたい暮らしを思い描きます。それを突き詰めて考えていくことで、適した間取りや必要な設備などが見えてきます。
家づくりを始めたばかりの方は、「どんな暮らしをしたいのか」「何を採用すれば叶えられるのか」といった知識の引き出しが少なく、悩んでしまうかもしれません。そんなときはおうちキャンバスの家づくりオンライン相談(無料)を活用してくださいね。